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作品紹介
 
橘りたか
高星麻子

佐藤あきらにとって、深夜のコンビニバイトはパラダイスだ。なぜなら、ひとりの夜を過ごさなくてすむから。ある日、あきらはわき腹から血を流して蹲っている常連客を助けた。いつも黒いコートに黒いサングラスの、どこからどう見ても堅気とは思えない男。黒豹を連想させるその男は腹の傷を自分で縫っちゃうようなヤバい奴だ。そのうえ、あきらはその男に無理やり身体を奪われてしまい――!?



まだ何も知らなかったあきらが、仕事から戻ってきたクロコに「おかえり」と言うシーン。クロコの得体の知れなさと、それに戸惑いながら普段どおり接しようとするあきらの心意気を感じていただけたら幸いです。
あきらがゴルフバッグを開けたところからの、クロコとのやり取り。自分を語らないクロコが初めて心に溜め込んでいたものを吐露したシーンなので、書いていて楽しかったです。

人物
 
施設育ちで、現在はアルバイトをしながら一人暮らししている。
ごく普通の青年だが、面倒見がよく周囲からの信頼も厚い。
保育士を目指しており、高校生の頃から学校へ通うための貯金をしている。
夜が苦手。
本名不明、国籍不明の殺し屋。
いつも黒いコートを着ているところから『クロコ』とあきらが命名。
モデルのように整った容姿で人目を惹きつけるが、
全身黒ずくめのその姿は黒豹を思い起こさせる。

著者インタビュー
 

2月28日にデビュー作となるノベルス『そして世界は色づいた』が発売されました。出来上がったノベルスを手に取られた時はどんなお気持ちでしたか?

それまでは原稿という形で触れてきたので、出来上がった本を頂いたときはまるで別人(?)のようでびっくりしました。イラストやカバーデザイン、編集、色んな方のお力が合わさって本はできるんだなと、深く感動いたしました。

主人公は、バイトに励むごく一般的な青年・あきらと、裏社会で殺し屋を生業としているクロコという普通なら絶対に関わらないであろうふたりですが、そんな掛け離れた世界に生きるふたりを描こうと思ったきっかけを教えてください。

コンビニ店員とお客さんとが、レジカウンター越しに交流を深めるシーンが書きたかったのが最初で、それだけでは面白くないのでテーマを「日常の中の非日常」にしようと決めました。そこから話を膨らませて、あのような話になりました。

主人公のあきらとクロコについて、コメントをお願いいたします。

【あきら】…日常の世界を支えられるようなキャラをと思っていたら、雑草根性逞しいキングオブ普通になりました。実際は家族構成や生活環境など、一般的とは言えない事情もあるのですが、誰から見ても普通そうな子というイメージです。

【クロコ】…非日常をその身一つで体現できる人をと思っていたら、あんなことに。最初は街のチンピラくらいを考えていたので、名残でちょっと喧嘩上等ですね。受が誰から見ても普通なので、攻は誰から見てもかっこいい人にしました。

真っ黒な見た目や佇まいから『黒豹』を連想させるクロコですが、あきらは何色のイメージでしょうか? また、動物に例えるなら何ですか?

いろんな色がごったに混ざっているようなイメージを持っています。絵の具だと最終的に黒になりますが、色光では白になるので。
動物に例えるなら、私個人は臆病な柴犬っぽいイメージでいます。

作中でクロコが様々な国の外字新聞を読んでいますが、クロコは何カ国語マスターしているのでしょうか?

何ヶ国語でしょう。書く機会がなかったのですが、イタリア語とスペイン語も分かる設定だったので、日本語を加えると少なくとも…八ヶ国語? おお…。

もし、橘先生がクロコを拾ったらどうされますか?

命が惜しいので、決して断じて間違っても拾わないと思います。

主人公のふたり以外にも、クロコの相棒・クルミちゃん(男)や、あきらの幼馴染みの珊瑚、バイト仲間の田中など、個性豊かなキャラクターが大勢登場しています。特にお気に入りのキャラクター、書きやすかったキャラクターはいますか?

あえて一票いれるなら貝島さん。
もっと喋らせてあげたかったです。書きやすかったのはクルミちゃんや珊瑚。勝手に動いてくれました。

本作を執筆される上で苦労されたこと、楽しかったことを教えてください。

元は短編連作で、長い期間をかけてポツポツと書いてきた話だったので、ノベルス刊行に当たり、指定されたページ数で一続きの話に書き直すのが大変でした。楽しかったことは担当様とのお話で、好きな映画やテレビドラマの話ができて幸せでした。

『そして世界は色づいた』というタイトルにはどんな想いが込められているのでしょうか?

タイトルは書き出す前に決めたのですが、自分の世界に変化が生じる様子を、何か前向きな印象の言葉で表せたらいいなと思ってつけた記憶があります。書き終わってみると、色んな意味を持ったタイトルになった気がします。

『そして世界は色づいた』の中で、読者のみなさまにぜひ注目していただきたいポイントを教えてください。

攻の珍妙な生態と、受のツッコミを入れているようでその実どこかずれている合いの手をご堪能いただけたら幸いです。

ペンネームの由来を教えてください。

「りたか」はハンドルネームからで、本名をいじくりました。「橘」は思いつきです。

小説を書き始めたきっかけはなんでしたか? 一番最初に書かれたのはどんな物語だったのでしょうか?

とある漫画にハマり、二次創作のお話を読み漁るうちに自分でも書いてみたくなったのが最初でした。ですので、最初に書いたのはその漫画の二次創作でした。ショートストーリーだったのですが、内容はちょっと思い出せません…。

普段読まれる本はどのようなジャンルが多いですか? 今までで特に影響を受けた作品がありましたら教えてください。

一番多く読むのは漫画で、なんでも読みます。
高橋留美子先生の作品が大好きなので、影響を受けていると思います。小説は最近とんと読めていないですが、サスペンス、時代、戦記ものなどが多いです。銀英伝が好きで、こちらからも影響を受けている気がします。

今作では殺し屋と普通の青年という両極端なカップルを描かれましたが、橘先生が一番好きな攻・受のタイプ、シチュエーションを教えてください。

読むときはなんでも大好物ですが、書くときは何かしら対立の構図が描けるカップルが好きです。BLでは受・攻の思いのベクトルが相手を向くのはある種当たり前なので、立場や主義、なんでもいいので反対を向く要素があると、「男同士らしさ」を感じられて萌え、いえ、燃えます。

お仕事中、これだけは欠かせないという心の支えや癒しはありますか?

お茶かコーヒーだけは常に側に置いてあるような…。

最近ハマっていることや、気になっていることがありましたら教えてください。

ちょっと前にスマートフォンに買い換えたので、よくそれで遊んでいます。

橘先生にとって『萌え』とはなんですか?

生活のスパイスであり、楽しみの一つです。

橘先生が小説をご執筆されるにあたって、最も大切にしているのはどんなことでしょうか。

読みやすさと、自分が楽しいと思える話を作ること。自分で楽しめないものを人様に読んでいただいても、やはり楽しんでいただけないと思うので。

最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。

精一杯書きましたので、少しでも楽しんでいただけたら幸いです!

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◆橘りたか先生公式サイト「At*」
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