SHY NOVELSからは4冊めとなる最新作『夜の寓話』が1月31日に発売となりました。いまの率直なお気持ちを聞かせてください。 |
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〆切りなどでご迷惑をかけつつ4冊目を出していただきました。綺麗な本に仕上がってうれしいです。SHYさんの新書は手触りが好きです。 |
今作『夜の寓話』は絵画にまつわる世界が舞台になっていますが、杉原先生ご自身、絵をご覧になるのはお好きですか? ご贔屓の画家はいらっしゃいますか? |
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蒼の父は風景画が得意な洋画家という設定ですが、わたしは風景ならコローが好きです。 |
繊細な描写が印象的な杉原先生ですが、今作『夜の寓話』では、風景の美しい描写が心に残りました。 作品の雰囲気を構築するため気を使われていることがありましたら教えてください。 |
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頭のなかに思い浮かべた映像がわかりやすく伝わるように、なるべく固有名詞をださない(その固有名詞から受けるイメージがひとによって違うので)、難しい言い回しは使わない。少ない色数の絵の具で絵を描くような感覚で文章を書くようにしています。 |
今作のあとがきに、「星空からイメージを膨らませたお話」とありますが、杉原先生が小説をご執筆する際、どのようなきっかけから物語を作られることが多いですか? |
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だいたい最初のシーンを思い浮かべて、そこから話を展開させます。 |
『夜の寓話』の登場人物で杉原先生が特にお気に入りのキャラクターを教えてください。 |
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蒼と圭吾です。わたしは受と攻がセットで好きなので。 |
作中で富田が蒼に絵の描き方を教えてほしいと頼む場面がありますが、もし杉原先生が絵筆を握ることになったらどんな絵を描いてみたいですか? |
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その絵の世界のなかに入ってみたくなるような絵を描きたいです。自分で見るのが好きなのもそういうタイプの絵が多い気がします。 |
主人公のひとりである圭吾は面倒なタイプのひとですが、そこが魅力でもあります。 杉原先生ご自身が最も好きな攻・受のタイプ、シチュエーションはなんですか? その理由もぜひ教えてください。 |
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攻も受も人間的に揺らぎのあるひと、ストイックな色気のあるひとが好きです。あと、素直なひとと不器用なひと。シチュエーションは「幼馴染み」と「同級生」と「十年愛」。わたしは基本的にこの3つのうちのどれかの要素が入ってない話はあんまり書いてないような気がします。恋愛以外の関係性がまず最初にあるのが好みなので。 |
恋愛面で見せ場となるシーンを書かれるとき、どんなことに気をつけていますか? |
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メンタルでもフィジカルでも、自分が「これでいいだろう」と思う量の2倍を書くように頑張る。 |
お仕事中、これだけは欠かせないという癒しや心の支えはありますか? |
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甘いもの。原稿が進まないとき、大量に糖分を摂取して「ブドウ糖が脳に効いてるハズ」といいきかせてむりやり集中力を高めます。 |
杉原先生が小説をご執筆されるにあたって、最も大切にしていることはなんですか? |
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読んだひとに伝わるように書くことです。基本、独りよがりで好きなように書いてしまうので、客観的に見る努力は忘れないように心がけているつもり……です。 |
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いします。 |
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『夜の寓話』は色気のある大人な雰囲気のお話を目指して書きました。木下けい子先生の表紙の絵がとっても素敵で、最初にイラストの画像を見せていただいたとき、「ああ、もうこれでこの話は書いた意味があったな」と満足したのですが、読んでいただけたらさらにうれしいです。よろしくお願いします。 |
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