『アイズオンリー』に関する質問です。
2月28日にSHY NOVELS『アイズオンリー』が発売になります。今作がSHY NOVELS初登場ですが、今の率直な気持ちを教えてください。
胸がそわそわ、胃がきりきりします。
『アイズオンリー』はとてもかっこいい、耳に残るタイトルだと思います。作品の中でも『アイズオンリー』の意味について触れていますが、どのようにこのタイトルを決められたのでしょうか? そしてどのような意味が込められているのでしょうか?
何となく「アイズ」が入る言葉をタイトルに使いたいな、と思っていました。割とタイトルありきで話を考えることが多いです。その時つけたい題名は、ほんとにただの気分といいますか、好みです。
縁と数真の最初の出会いはとても印象的でした。そして再会。飲み会の席で数真が古い映画の話と絡めて子どもの頃目が見えなかった話をしたことで、過去にも現在にも雁字搦めになって苦しむ縁が切なかったのですが、このお話を書こうと決めたきっかけを教えてください。
前問の答えとちょっとかぶるのですが、タイトルを先に決めて、「じゃあ『見る』ということが鍵になる話を」と思いました。
『アイズオンリー』は心に直接響いてくる描写がとても魅力的でした。難しい題材だったのではないかと思うのですが、ご執筆中に苦労されたこと、もしくは楽しかったことはありますか?
縁の秘密に絡んで、描写に縛りがあったのでそこが難しかったし、同時に楽しかったです。
主人公の縁は秘密を抱えていますが、それを抜きにしても独特なテンポがあって愛らしいキャラクターだと感じます。もうひとりのメインキャラクターである数真も不思議な雰囲気をもっていて、ふたりの掛け合いがおもしろかったです。一穂先生は普段からキャラクター作りで心がけていることはありますか? お気に入りのキャラクターは誰ですか?
行動とか仕草、ささやかな一点でも「ああ、こういうの分かる」とか「こういうこと言う人いそう」と思って頂けたらなーと願って書いてはいます。お気に入りといいますか、数真はよくしゃべってくれて書きやすかったです。
CGオペレーターの縁は在宅で、お家にこもってお仕事するところは、一穂先生とも通ずるものがあると思います。数真は編集者ですし身近な存在かと思いますが、ふたりの職業はどのように決まったのでしょうか?
縁には、モデル、というほどではないのですが、知り合いの知り合いの知り合いが同じ仕事をしていて、何かの雑談の折にその話を聞いて面白いな、と覚えていました。縁は設定上、一般的なサラリーマンとは考えにくかったし、「見る」という行為にも深く関わっているのでちょうどいいな、と思って。数真は、縁と接点の生まれる職業、ということで編集者になりました。
縁が十徳ナイフと形容するほど素敵な叔父であり、上司である訓さんにも、なにか秘密はあるのでしょうか?
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出しそびれてしまったエピソード、本編には出てこなかった設定や、裏設定などありましたらぜひ教えてください。
数真と訓さんがプロ野球のマニアックな話で盛り上がって、縁が取り残される……という場面を考えていたのですが出しどころがありませんでした。
『アイズオンリー』の中で、読者のみなさまにぜひ注目していただきたいポイントを教えてください。
な、何でしょう。読んで下さった方に私がお伺いしたいですよろしくお願いします……。
一穂先生ご本人に関する質問です。
ペンネームの由来を教えてください。
「穂」という字が好きなので、穂は入れようと思っていました。しかし考え込むときりがなくなるので他の要素は思い入れすぎないよう、適当に。未だにメールや電話で「一穂です」と名乗るのに違和感があります。「誰だよいちほって!!」と素になってしまうあの瞬間……。
小説を書き始めたきっかけを教えてください。また、最初に書かれたのはどんな物語だったのでしょうか?
今も昔もおたくなので、大好きな漫画の二次創作がスタートでした。むろん、男同士です。
今までで特に影響を受けた作品(小説、映画、音楽など なんでも)がありましたら教えてください。
7歳から今に至るまで読み続けている、週刊少年ジャンプ。人生でこれより長続きしているものがないので、何かしら影響されているはず。
今ハマっているものはなんですか?
勤め先の近所にあるおいしいうどん屋さん。週一回は絶対行ってしまいます。
お仕事中にこれだけは欠かせないというものや、癒しはありますか?
七つ道具はノート・万年筆・辞書・パソコン・湿布(ずっと書いていると手首が痛くなってくるので)・飲み物・15分間砂時計(タイマー代わり)。癒しは一に睡眠、二にお風呂でしょうか。入浴剤の類は入れず、プレーンな湯船にぼーっと浸かるのが好きです。
一穂先生の一番好きな攻・受のタイプ、シチュエーションを教えてください。
その時の自分内ブームが割とめまぐるしいので「これ!」っていうのは思いつかないかも。ただ、年とともに苦手なものがなくなってきて、今はニンジンもピーマンも平気! 的にストライクゾーンの広がりを感じています。得した気分。
一穂先生にとって『萌え』とはなにか教えてください。
この人たちについてもっと知りたい! という貪欲さのこと。
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
初めての方にも、二度目以降の方にも、すこしでも楽しんで頂けることをただただ祈っております。どうかよろしくお願いいたします!