『君の声は魔法』に関する質問です。
4月6日にSHY文庫『君の声は魔法』が発売になります。花房先生のデビュー作となる今作をご覧になっての率直なお気持ちを教えてください。
喜びと緊張が混じった気持ちです。本当に発売するんだなーと思うと、そわそわと落ち着かなくなります。でもやっぱり、すごく嬉しいです。
それからカバーイラストとデザインがとにかくかわいくて、何度も見てはにこにこしてしまいます!
タイトルにも「声」とありますが、今作は売れっ子アイドル声優×冴えない草食系俳優のお話です。このお話が生まれたきっかけはなんでしょうか?
いくつかプロット案を考えているときに、キラキラしたお話がひとつ欲しいな、と出したのがこの「君の声は魔法」でした。今回もそうですが、まずタイトルが浮かんで、それから内容を考えることが多いです。
今回メインキャラクター櫻木の職業に選ばれたのは声優です。
普段は表立って姿を見せない声優という職業を選ばれた理由を教えてください。
「声」から始まる物語にしたかったんです。魔法みたいに、言葉ひとつで人を操れるくらいの美声の持ち主を登場させたいと考えていました。それならばいっそ声を仕事にしている声優さんがいいかな、と決めました。
凛も櫻木も、舞台は違えど表現者という花房先生との共通点があると思います。
ご執筆のときに気をつけていたことや、大変だったことはありますか?
小説を書くことも、演技をすることも、なぜするのかといえば「好きだから」なのかなぁと思います。それを仕事にすると、きっと「好きだから」だけでは駄目なこともあったり、上手くいかなくて辛かったりもするはず。それでもやっぱり楽しそうにしている人は眩しく見えて、憧れます。凛と櫻木もそれぞれ、そんな風に仕事をして輝いているように見せたいなーと思いながら書きました。
大変だったのは色っぽいシーンでの櫻木が年齢のわりに親父くさくなってしまって、それにブレーキをかけることです。笑
ふたりの間で嫉妬している櫻木の飼い猫ベリル。凛にそっくりなところのある美人な黒猫です。
花房先生ご自身はペットを飼っていますか?
もふもふわんこを飼っています! トイプードルの、アプリコット色の子(♂)です。まだ子犬で、毎日めろめろになっています。あと猫も好きですが、猫みたいな男子はもっと好きです……。
あとがきで、凛は最初ツンツンとありましたが、最終的に天然なキャラクターになりました。このほかにもご執筆しながら予想外に変化したことなどあれば教えてください。
初稿では影の薄かった根岸さんがどんどん前に出てきて、いつの間にか主張の激しい人物になっていました。スリーピースのスーツでちょっと強めの30代芸能マネージャー……、絶対に凛のファンから怖がられていると思います。
本編のあとにはSS「君の声は美味しい」が収録されています。
ふたりのその後 のお話で、凛視点ではなくこちらは櫻木視点のお話なのですね?
はい。櫻木から見た凛の可愛いところとか、櫻木のちょっと危険な思考をいきいきと書けて、とにかく楽しかったです。
『君の声は魔法』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいシーンを教えてください。
色々思い浮かぶところはあるのですが、やっぱり、恋愛経験のない凛が櫻木にふにゃふにゃにされるラブシーンでしょうか……。無意識にMな凛に注目して読んでいただけると嬉しいです。
それから、カフェで櫻木と根岸のふたりに圧倒される凛のシーン、黄一先生の挿絵がすごくすごくかわいくて大好きです。そのほかの場面のイラストも本当に素敵なので、ぜひ注目していただきたいです……!
花房マミ先生ご本人に関する質問です。
まずはペンネームの由来について教えていただけますか?
花に関する名前にしたかったのです。「はなふさ」と読みます。「ゆうじ」くんかと思ったら「ゆうし」くんだった……、みたいな感覚の、そういう濁点がありそうでない言葉の響きが好きだったりします。あとは本名をすこし入れています。
小説を書くようになったきっかけを教えてください。
元々は絵を描いていました。あるとき、どうにかしてやりたくて辛抱たまらなくなるキャラクターに出会い、創作しようと思ったものの、自分の可愛い系の絵では思うようにどうにかできなかったんですね。そこでふと脳内の妄想を文字にしてみたら、びっくりするほど楽しかった! それからは夢中に小説を書くようになりました。
お仕事中、これだけは欠かせないという癒しや心の支えはありますか?
音楽とコーヒーです。特に音楽は、妄想のスイッチになっている気がします。
あとがきでエキストラに参加した経験があるなど、アクティブな一面を知ることができました。
そんな花房先生が今一番ハマっているものはなんですか?
お笑い芸人さんのラジオが毎週の楽しみです。頭の回転が速くて、よくそんなに次から次へと面白い言葉が出てくるなぁと尊敬してしまいます。
ちなみに参加したエキストラではゾンビのメイクを施され、集団でスリラーのダンスをしました……。
今作では王子様と天然という組み合わせでしたが、花房先生の最も好きな攻&受のタイプ、シチュエーションについて語ってください。
色々あって迷ってしまいますが、ざっくりいうと、しつこい攻め×かわいい天然受け、です(今回のお話がそのまま当てはまる気がしてきました)! さらに性格が正反対で、SとM、陰と陽、クズと天使とか、そんな対照的なふたりが惹かれあっているとたまりません。
攻めはどんなに人間的に駄目でも変態でも皆のダーリンというか、何故かモテモテでいてほしいです。受けは根っこがまっすぐで素直で、甘いにおいがしそうなかわいい子が好きです。
好きなシチュエーションは、だんとつで「着衣のままのあれこれ」です。
花房先生にとっての『萌え』とはなんでしょう?
人生の花です!
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
ひとつでも気に入ったシーンや台詞がありましたら幸せです。
楽しんでいただけるといいなぁと祈っております。
まだまだ不慣れなことばかりですが、よろしくお願いいたします……!