コミックス『泣かないホタル』はじめ、作品に関する質問です。
6月28日にihr HertZでご自身の初コミックス『泣かないホタル』が発売となります。今の率直なお気持ちを聞かせてください。
まさかコミックス出して頂けるほど漫画を描くとは思ってなかったです。本屋のBLコーナーに行くのに緊張しそうです。
表題作『泣かないホタル』は、主人公の綾瀬がわけあって子どもの頃に住んでいた田舎に帰り、幼馴染みの大くんと再会するお話です。タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?
都々逸の一節『~鳴かぬ蛍が身を焦がす』(口に出さない人の方が心の中では想ってますよという意味)が主人公ぽいなーと思ったので。
淡々として内に籠るタイプの綾瀬と、開けっぴろげで嘘がつけない大志は正反対です。市川先生は漫画を描く際、描きやすいキャラクターや描きづらいキャラクターなどありますか?
明るいおバカなキャラや、地味、凡人、優柔不断なんかは描きやすいです。任侠ものに出てきそうな頭のキレる怖いお兄さんや、オシャレなキャラは描けそうにないです。
同時収録『ふたりのレシピ』は落ち着いたテンポの『泣かないホタル』とは対照的に、テンションの高めなお話です。舞台は小さなレストランですが、このお話はどのようにして生まれたのか教えてください。
お仕事ものが好きなので、制服のある作品が描きたかったという単純な動機です。
佐倉は篠田の料理に惚れ込みレストランで働き始めますが、市川先生はこれまでに料理で感動したことはありますか? また普段お料理はされますか?
祖母が料理上手だったので、卵焼きに毎回感動していた覚えがあります。上手いかどうかは別として料理は好きです。
ご執筆中に大変だったことや、苦労したことはございますか?
漫画を描いた経験があまりなかったので、とにかく基礎がないことが悩みでした。現在進行形です。
『泣かないホタル』『ふたりのレシピ』ご執筆中に泣く泣く削ったエピソードや、出て来なかった裏設定などがありましたらぜひ教えてください!
キャラ設定の時点で、綾瀬は子供に好かれる(小児科医)、大志は子供好きだけど子供に嫌われる(雑なので特に女児に)という設定でした。
コミックスを読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいシーンを教えてください。
『ふたりの~』の佐倉の告白シーンからの数ページ。普段あんまり描かない感じなので頑張って描いたな~と。でも恥ずかしくてにっこりしてしまう。
市川こころ先生ご本人に関する質問です。
PNの由来を教えてください。
昔使っていたペンネームと、サークル名のミックス。知人に案をもらって決めました。
漫画を描く上で影響を受けたりリスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか? 理由もあわせて教えてください。
煮詰まったときはいつも武富智先生の短編集を読みます。表情や仕草、ストーリーが眩しい。
どのようなきっかけでBLを好きに、また、描くようになりましたか?
読んだきっかけは「そこにBLがあったから」としか言いようがないですが、描くようになったのは「同人誌だそうぜ~~!」という友人との軽いノリで。
お好きなカップリングやシチュエーションを教えてください。
地味と派手、凡人と天才の組合せ。どっちかがおじさんだといい。どっちもおじさんでもいい。枯れ専です。
今後、漫画で挑戦してみたいことはありますか?
地方の人間なので方言BLなど。
市川先生にとっての『萌え』とはなにか教えてください。
生活の一部で、ないと困る。
最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
まだまだひよっこですがよろしくお願いします。