『花馨る雨の名を』に関する質問です。
2月6日にSHY文庫『花馨る雨の名を』が発売になります。今作が千島先生のデビュー作ですが、出来上がった本をご覧になっての率直なお気持ちを教えてください。
出来上がった本を見て、宝井先生のステキなイラストと、すばらしい装丁にとても嬉しくなりました。ですが、本という形になり、正直なところソワソワフワフワする心持ちが強いです。嬉しさと照れと不安な気持ちが入り混じってなかなか本を開けれないほどでした。
タイトル『花馨る雨の名を』がとても素敵な響きだと思いました。タイトルにはどのような意味が込められているのでしょうか?
このお話のキーになっている雨とお茶のイメージからの題名ですが、二人の上に降るいろいろな雨と、徐々に花開く二人の仲の意味もそっと込めています。
主人公・入谷のおっとりとした性格のように、ストーリーも全体的にゆったりとした雰囲気を感じます。『花馨る雨の名を』はどのようにして生まれたお話か教えてください。
お茶屋さんのマスターや舞台設定に対する限りない萌えをぎゅっぎゅと詰め込んだらこういうお話になりました。
あとがきで、入谷には千島先生の好みがぎゅっぎゅっと詰まっているとあります。お相手の長谷部については触れていませんでしたが、千島先生にとって長谷部とはどのようなキャラクターなのでしょうか? また、千島先生の攻の理想像を教えてください。
長谷部君は、のめり込みやすく思い込んだら一直線だからこそ、そういう自分をセーブして理性的に生きていた感じがします。そんな長谷部君が入谷さんを好きになって、自分の内面にこそ振り回されている。
基本的に攻めは、外面と内面のギャップがあればあるほどいい。そして受けによって、抑え込んでいたり隠していたり気付かなかった内面が外に出てくるのがたまりません。
章の冒頭や、文章の使い方など、言葉を大事にされている印象を受けました。今作で特に気に入っているフレーズやセリフはありますか?
すぐにこれ、と浮かぶセリフなどは実はないのですが、リズムなどの心地よさを重視しているので、章の冒頭は実はどれも気に入っています・笑。
中国茶専門店が舞台ということもあり、作中にも中国茶がたくさんでてきます。千島先生は普段から中国茶をよく淹れますか? また、オススメの中国茶がありましたらぜひ教えてください。
中国茶以外にも日本茶も紅茶も大好きで、日々よく淹れています。本格的な茶器で淹れる中国茶はゆったりとしたいときに、普段原稿をしながら飲むときは、大き目のポットで大量に作ります。最近は、台湾のジャスミン茶が美味しくてそればかり飲んでいます。
『花馨る雨の名を』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいシーンを教えてください。
巡る季節や雨、二人の距離感など。
今回削ってしまった文章がかなりあるとのことですが、入りきらなかったエピソードや裏設定はありますか?
実は入谷さんには三好以外にももう一人寡黙な友達がいまして、三人で飲んでいるときなどは、学生時代の空気感のせいでお店に居るよりラフで気軽で若いかんじになります。
千島千鳥先生ご本人に関する質問です。
まずはペンネームの由来について教えていただけますか?
数字を入れたかったのと、字面で決めました。
小説を書くようになったきっかけを教えてください。
妹に寝る前に話を作って聞かせていたので、話を作ることはかなり小さな頃からしていました。ただ、書くという動作に思い至らなかったのですが、小学生高学年の頃の国語の時間に島の地図から小説を書く宿題が出て、それから書くようになりました。
小説をご執筆される上でリスペクトしているものはありますか? 理由も一緒にお願いします。
音楽です。音に乗るイメージとカラー、想像力の刺激。
お仕事中、これだけは欠かせないという癒しや心の支えはありますか?
お茶と飴、愛犬です。
最も好きな攻&受のタイプ、シチュエーションについて語ってください。
一人でカラカラと空回りする攻めと、そんな攻めを受け止めてあげる受け。
両想いラブラブより、両想いだけど片恋のほうが萌えます。
千島先生の考える『萌え』とはなんでしょう?
ときめき。胸の痛み。浮き上がるほどの興奮。
最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いいたします。
楽しんでいただければ幸いです。