文庫『この雨の夜が明けたら』はじめ、作品に対しての質問です。
10月6日に『この雨の夜が明けたら』が発売となります。春間先生のデビュー作となりますが、今の率直なお気持ちをお聞かせください。
「え、もう?」というリアリティに唐突に襲われています(笑)
大久保と松嶋、ふたりの幸せな日常が続くのかと思いきや……とサスペンス要素を含んだこのお話はどのようにして生まれたお話ですか? またご執筆中、気をつかわれた点はありますか?
この作品は一作目があって、そこでは淡々とふたりの出会いを書いたので、二作目は何か事件が起きて面白くなればとサスペンスに仕立てました。
執筆中は松嶋の心が折れないことをひたすらに祈っていました。
今作には様々なタイプのキャラクターが登場いたします。それぞれ我の強いキャラクターたちだったかと思いますが、登場人物を考える上で心がけていることを教えてください。
みんないい歳なので、それなりの過去を背負わせています。
一番表現に困ったのは大久保でした。いまいちハッキリしない人なので、改めて性格を組み立て直しました。
全員共通では、セリフの言い回しや言葉遣いが不自然にならないように心がけました。
物語に深く関わってくる沓掛と牧野。このふたりに隠されたエピソードが気になる読者さんも多いと思います。このふたりがメインのストーリーもお考えなのでしょうか?
牧野はとても気に入っている登場人物で、沓掛とは腐れ縁の長い付き合いという設定です。
昔は見えない三角関係にあったふたりなので、気持ちが通じ合えたらいいなあとは思っていて、書ける機会を見計らっています。
今作を書かれていて楽しかった点、苦労した点を教えてください。
楽しかったのはサスペンスモードのときです。恋愛だけで終わらせないぞという強い意志を持って書いていました。
苦労というか、大変だったのは警察関係、探偵のシステムなどの資料に目を通すことでした。
調べ出すと楽しくなっちゃって、筆が進まなかったりして困りました。
本編に納めきれなかったエピソードや、製作中の秘話などありましたらぜひ教えてください!
あれこれ伏線張った謎の回収が済んでいないので、どこかでできたらいいなぁと思っています。
秘話というほどではないですが、とにかく静かな環境で書きたくてノートパソコンを持ってあちこち落ち着く場所を探していました。
結果的に一部屋書斎化したので今となっては良かったです。
『この雨の夜が明けたら』を読者のみなさまに読んでいただく上で、注目していただきたいポイントを教えてください。
サスペンスドラマ仕立てでありながら、人間ドラマの要素も取り入れたので、登場人物たちの友情や絆を感じていただけたら嬉しいです。
春間鹿野先生ご本人に関する質問です。
小説を書き始めたきっかけはなんですか?
正直に言いますが、暇つぶしで書き始めました…。
投稿サイトというのがあるのを知り、登録して、他の人のを読んで、自分も書いてみようかと。
小説を書く上で影響を受けたり、リスペクトしているもの(作家様、本、音楽、映画などなんでも)はありますか? 理由もあわせて教えてください。
映画や海外ドラマ、落語が好きです。
でも小説を書くときは影響を受けないように観ないようにしています。
最後に、読者のみなさまにメッセージをお願いします。
この作品から少しでも何か心に感じていただければ幸いです。
また松嶋と大久保のふたりが読者様の記憶に残ってくれたらいいなあと思っています。
あ、もちろん、沓掛と牧野も。