著者インタビュー

現在、シャイノベルスより『契約 ブランドロマンス』が発売中の秋津京子先生に インタビューをお願いしました。どうぞお楽しみ下さい。

Q.ペンネームの由来を教えてください。
中学生の時、好きだったキャラクター2人の名前を合体させ、こねくり回しているう ちに、この名前になりました。けっこう安易な付け方だったかも。

Q.子供の頃好きだった小説、または漫画はなんですか?
小学生の頃は岩波少年少女文庫を愛読。というか、このシリーズだと親が無条件で 買ってくれたので。漫画はキャンディ・キャンディ。私の世代で読んでいない人はモ グリでしょう!

Q.最近読まれたなかで気になった本、気に入った本があれば教えてください。
『大正天皇』 原武史著(朝日選書)いかに自分が大正天皇のことを知らなかったかを思いしらされました。

Q.最近聴いている音楽はなんでしょうか?
会社で隣りの部署のおにーさんが、こっそりとモー娘のベストアルバムを、リフレインでかけているのを、聞き耳をたてて聞いています。

Q.お休みのは何をして過ごしますか?
今は締め切りに追われ、原稿書き。普段は……。記憶に残らないほど怠惰な生活。

Q.どんな子供時代を送りましたか?
おたく道まっしぐら。当時、『おたく』という言葉が存在しなかったので、誰に後ろ 指さされることもなく、幸せでした。

Q.小説を書き始めたきっかけはなんですか?
小学2年の時の国語の授業で、かぐや姫の続きの話を書かされたこと。内容は、月に帰ったかぐや姫をごちそうが待っていたという、食い意地のはった話でした。

Q.ボーイズにハマッたきっかけはなんですか?
きっかけは定かではないのですが、中2のときにはどっぷりはまってました。

Q.もう一度人生をやり直すとしたらどうしますか?
努力が大嫌いなので、やり直したところで同じ道を辿るような……。とにかく中高時 代の数々の試験は、二度とやりたくないです。

Q.今一番ハマっていることはなんですか?
日替わりで変わるので、難しい質問です。ちなみに今日は、toto。思わず、専門雑誌まで買っちゃいました。結果は惨敗。なまじか好きなチームがあると、判断が鈍ると 分かりました。

Q.自分の作品で一番気に入っているキャラは? 苦手なキャラは? その理由は?
好みのキャラクターは、地位もお金も容姿もすべて恵まれながら、なぜか、不幸という人。どの作品にも必ず出てきているような……。苦手なのは、悪人キャラ。悪人 のつもりで出しても、なぜかいい人になってしまう。

Q.これから書いてみたい作品はなんですか?
言葉にすると叶わないというジンクスがあるので、伏せさせて頂きます。なにが飛び 出すかは、お楽しみにということで……。

Q.書く上でこれだけは譲れないということはありますか?あるとしたらなんですか?
む、難しい質問です。

Q.気分転換方法はなんですか?
飲む!

Q.今回発売になった「契約」について質問です。今回の作品「契約」は身分違いのうえに男同士で結婚までしてしまいます。
 これまで秋津さんが書かれていた作品とはかなり異なる印象を受けますが、まずは、この作品を書こうと思われたきっかけ、動機を教えてください。

ネタ自体は、ずいぶん前から暖めていたのですが、まさか、世に出せるとは夢にも思っていませんでした。気がついたら異様に高いテンションで、この話を担当様に語っていたような。明け方だったせい? あの時は失礼しました~。

Q.タイトルはずばり「契約」です。「契約」がふたりの恋の発端となるわけですが、男男的恋愛でもっとも恋愛を刺激する契約とはなんだと思われますか?
はっ、またまた難しい質問ですね。なんでしょう?

Q. サブタイトルに「ブランドロマンス」とあります。その意味を教えていただけますか
アメリカで正統派ロマンス小説をブランドロマンスというそうです。

Q.本作品の主人公・皐月とエドワードをご紹介いただけますか。
皐月は大学受験に失敗した、イギリス留学中の演劇少年。なぜか女装が異様に似合うらしい。エドワードは、地位もお金も美貌もあるのに、なぜか不幸という伯爵様。

Q.舞台はイギリス、皐月の恋の相手は伯爵…しかも美貌の!伯爵ですね。具体的なモデルはいるのでしょうか?
容姿は髪を切る前のベッカム。貴公子と呼ばれているイギリスのサッカー選手です。性格はマークス卿。それから、恋のために地位を捨てたエドワード7世。

Q.貴族、特権階級のなかでもいろいろな爵位がありますが、伯爵という爵位 を選んだこと理由はなんでしょうか?
どうせなら地位の高い公爵を、とも考えたのですが、イギリスに公爵家はたった二十六しかないので、風呂敷を広げるのが難しく、断念しました。

Q. イギリス貴族のイメージは?
成り立ちの歴史をみると、けっして高貴なものではなく、イギリス人の合理主義が生み出した産物にすぎないんですよ。例えば、ダイアナ妃の実家のスペンサー卿も実は羊飼いだったりとか。でもそこに歴史の重みが加わり、持てる者の義務だのなんだのが発生し……。どこか日本の武士と通 じるところがあると思います。

Q.ロマンス小説といいますと、日本では(世界でも)ハーレクインは有名です。またハーレクインのなかにはいろいろな種類がありますね。ヒストリカルであったり、クラシックであったり。舞台がヨーロッパであれば貴族、アメリカであれば石油富豪であったり、牧場主であったり。アラブの作品はシークものとしてのジャンルさえ形成していますが、秋津さんがもっともゴージャスと思われるのはどういうものですか。具体的に教えてください。
究極はやっぱり、王様とのラブロマンスでしょう!

Q.執筆中、ロマンス小説においてイタリア人はどうも苦手で…と仰っていたことがあります。好みの国、そうではない国がありましたら、教えてください。
いや、イタリアは大好きです。ちなみに大学の西洋文化史のレポートで、マキャベリとチェーザレ・ボルジアのラブラブな話を提出したぐらいですから。ただ、ラテン民族のテンションの高さが苦手なんです。

Q.理想のロマンスは?
めくるめく愛。

Q.再び「ブランドロマンス」的な作品を書かれる可能性はありますか?
書きたいです。 そのためには、今回の本が売れることを切に願っています。

Q.もし書かれるとしたら、どんな設定でしょうか。よければ、こっそり教えてください。
予告したものは、叶わないというジンクスが……。
主人公は考古学者。舞台はエジプト。でもって、キーワードはアメリカの大富豪!
本気です。ところで、ジンクスが破られることを切に願います。

Q.今回、外国が舞台であり、主人公のひとりが伯爵であったりと資料探しが大変だったと思います。参考にされました資料でおもしろかったものなどありましたら、ぜひ教えてください。乙女心が刺激されるようなものはあったでしょうか?
本当は、参考文献を全てあげたいところなのですが、キリがないので、個人的判断によるベスト3を。貴族については『英国の貴族』(大修館書店)森護著。この手のどの本を見ても、かならずこの本が参考文献にあげられているという、資料的価値が高いです。 イギリスの階級社会をかい間見るなら、『ロンドン骨董街の人びと』(新潮社)六嶋由岐子著。 最後に、乙女心を刺激する本と言えば! 『ウィリアム王子』(講談社)ランディ・レイスフェルド著。内容はキッチェですが、ウィリアム王子の麗しい写真が満載でポイント高し。

Q.あとがきでイギリス旅行について触れられています。もっとも印象に残ったのはどこでしょうか?
マダム・タッソーのろう人形館で、思いがけず、黒太子エドワードの像と対面したこと。ちなみに彼は、あまりのかっこよさに、女の人が失神したという逸話が残っています。

Q.制作秘話、裏話などがありましたら、教えてください。
秘話……。あとがきで暴露しているので、なんですが、美形描写とベットシーンを人様に助けてもらったことでしょうか。勉強になりました。

Q.「契約」をこれから読む読者さん、読み終えた読者さんに一言お願いします。
これから読む方、楽しんで頂けることを願ってやみません。読み終えた方、もし気に入っていただけたなら、第二弾が無事に書けるよう、祈ってくださいませ。

Q.最後にファンの方々に一言!
怠け者の私が作家を続けられるのも、読者様あってのこと。ありがとうございます。

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