著者インタビュー

あっという間に2003年ですね!
皆様2002年はどんなボーイズラブ生活をお過ごしでしたか?
お年玉をもらう方、反対にお年玉をあげられる立場の方も、あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いいたします。
さて、年明け早々に発売のSHYノベルズは榎田先生の『弁護士は恋を自白する』です。舞台はN.Y.。日本人留学生と財閥の御曹司で美貌のエリート弁護士アシュリーのちょっとじれったい、でもせつない恋のお話を中心に、日米ハーフの陸ことリックと天使の容貌を持つ口の悪い青年ショーンの恋の物語です。
作者である榎田先生にインタビューをお願いしました。
さて、榎田先生からはどんなお話が聞けるのでしょう?

Q.明けましておめでとうございます、榎田先生。
2003年まずは去年一年を振り返られてどんなお年でしたか?

おめでとうございます。メェェ(鳴いてみた)
去年はですね、たくさん本も出せましたし、初めてのサイン会なんかもさせていただいたりで、ありがたいことがたくさんの一年でした。自分も大きな病気もしなかったし、よい一年だったと思います。みなさまのお陰です。

Q.1月6日に『弁護士は恋を自白する』が発売になりました。この作品は表題作の『弁護士は恋を自白する』に『眠れる森の王子』『It's a joke.眠れる森の王子後日談』の三篇が収録されています。まずは、各作品について榎田先生のコメントをお願いします。
『弁護士~』は掲載誌の編集長さんにハー○クインロマンスっぽく、と言われて本人はその香りを取り入れようと努力したのですが、結局ハー○クインにはなっていない気がします。攻めが金持ちってとこだけだなあ、それっぽいのは。向き不向きがあるんです、人には(笑)でも作品自体ととても気に入っています。あとの二編は本編ではサイドキャラであるショーンとリックのラブストーリーです。ショーンがおバカさんで可愛いいなと思うのですが。

Q.まずは『弁護士は恋を自白する』からお聞きしたいと思います。少し繰り返しになりますが、この作品ではロマンスというお題のもとで書かれた作品ですよね。ボーイズラブ小説それ自体が恋愛が大きな主題になっていますが、ロマンスという言葉で表現される小説とはまた異なってくると思うのですが、どう考えられましたか?
ロマンスだと「めくるめく」って感じがしますね。めくるめくは漢字で書くと「目眩く」ですから、なんかクラックラしてるんだろうなあ。受けくんがクラックラしているうちに、どんどん展開していくラブストーリーなのでしょうか。でも潤也くん、わりと足が地に着いてる子なので、あんまりめくるめってはくれませんでした。むしろアシュリーのほうが……?(笑)

Q.特に意識されたのはどういう点ですか?
とりあえず、攻めはお金持ちにしないと、と思いました。あと外国が舞台だと華やかかなあ!とか。

読者様、攻め様がお金持ち、これはロマンスの鉄則なのです!
たとえ貧乏に見えても、それは世を偽る姿ではなくてはならないのです…


Q.どの作品もダンサーが主役ですが、ダンサーを主役として書かれた理由を教えていただけますか?
ダンスとか音楽とか、言葉を媒体としない表現手段を題材につかうのが好きなのです。言葉で表現できないものを言葉を使う小説の中で扱うのは、なんというか、私にとってスリリングでエキサイティングなのです。まだまだ筆力不足ですが、今後も挑戦していきたいと思っています。あと、ダンサーはやっぱり色っぽいよね~。

Q.お好きな演目、バレエ団、ダンサーを教えていただくことができますか?
演目は「ジゼル」とか「眠れる森の美女」とか。わりと古典が好きですね。団体では英国ロイヤルが好きですね。舞台装置や衣装がキラッキラ☆で。ダンサーは演目によって好みが別れます。ジゼルならフェリ、みたいな感じで。

Q.舞台が海外、アメリカですが、アメリカを選ばれたのはどうしてでしょう?
日本人ダンサーが修行に行く場として、一番ふさわしいと思ったからですね。あと、自分も行ったことがある場所でしたし。少しでも街並みを知っているとやはり書きやすさがぜんぜん違うんです。

Q.どの作品も主人公たちがとてもいきいきしていますが、三篇のなかで特に気に入っていらっしゃる登場人物は誰ですか?
難しいですね。みんな気に入ってます。
ほとんど活躍していないのに妙に気に入ったのはケリーかなあ。

Q.『弁護士は恋を自白する』の一見パーフェクトゆえに無器用さが好印象なアシュリーですが、彼はジュンに一目惚れだったのでしょうか?
そうでしょう。
自覚はなかったかもしれませんけどね。

Q.アシュリーとジュンはあの後一緒に暮らし始めたのでしょうか?
微妙ですね。
ご近所あたりで手を打ったかもしれません(笑)

Q.対等になってからN.Y.で生活を始めたふたりの話が読みたいような気もしますが、どうなんでしょう?
結構ケンカしてそうですよ、アシュリーは芸術オンチだし。
潤也はダンスがなにより大切な子ですから、アシュリーはダンスにやきもちをやかなくちゃならない。なんか可哀想な人ですね(笑)

Q.『弁護士は恋を自白する』のなかでのデリで仕種がだぶる二人が個人的にとても気に入っているのですが、榎田先生のお気に入りのシーンがあれば、ぜひ教えてください。
あのシーンは私もお気に入りです。
他には、ジュンが走りながらレッスンに向かうラストシーン。自分の一番好きなことをしに行くときの、飛んでいきたくなるような高揚感を書きたかったんですが、どうでしょう。少しは雰囲気出てるかなあ?

Q.ショーンとリックのカップルはとっても恋人らしく、読んでいて微笑ましいですよね。アシュリーとジュンのカップルと比べるとふたりともストレートに感情を表現しているような?
ダンサー同士なので気心が知れているのと、リックに『おれはワガママ王子様のお世話係』という覚悟ができているからじゃないかと(笑)

Q.『眠れる森の王子』『It's a joke.眠れる森の王子後日談』での私はここが気に入ってるんだけどなあ、というようなマニアなお勧めポイントがあったら教えてください。
全部お気に入りです~。あますところなく楽しんでいただければ幸いです。ひとつあげるなら、わりとナチュラルにスケベなリックなんかはマニア的ポイントかしら?(笑)

Q.最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。
今回はバレエものでお届けいたしました。少しでも楽しんでいただければと思います。めずらしく外人さんがたくさん出てきますが、さりげなく黒髪長髪のあの人もいたりしましたね(笑)
さて2003年も、書きたいものがたくさんある榎田です。どうぞみなさま、よろしくお付き合いくださいませ!

■■■■■大好評発売中!!■■■■■
■榎田尤利先生情報■

【発売中新刊】
「聖夜」/笠倉出版クロスノベルス/イラスト・山田ユギ
「I'm home. ~魚住くんシリーズメモリアル~」/光風社出版/イラスト・茶屋町勝呂

【単行本予定】
2月
「明日が世界の終わりでも」/笠倉出版クロスノベルス/イラスト・茶屋町勝呂
「眠る探偵」/マガジンマガジンJUNEノベルス/イラスト・青海信濃
3月
「猫はいつでも甘やかされる」/SHYノベルス/イラスト・紺野けい子

【雑誌予定】
小説JUNEに「眠る探偵シリーズ」不定期連載中
小説b-boy3月号・4月号に前後編掲載
小説Chara vol.8に読み切り掲載
※この情報は2002年12月時点のものになります。