著者インタビュー

だんだん寒くなってきましたね! 皆様いかがお過ごしですか?
今回は『ハードボイルドに触れるな』の作家・羽根くんシリーズ第2弾
『ロマンス作家は騙される』の榎田尤利先生にインタビューをお願いしました。
前作『ハードボイルドに触れるな』はすでにご存知でしょうか?
そうです、ハードボイルド小説でデビューしながらも、
気弱で肩凝りがものすごおくひどい小説家・羽根くんが
親友であり編集者の神楽坂とカリスマ整体師・千疋さんのふたりから
愛の告白を受けて……というお話です。
綺麗な三角関係ができあがったわけですが、
その決着が本作『ロマンス作家は騙される』でついたわけなのですが……
製作秘話もあったりしますよ~。さあ、いってみましょう!

Q.榎田先生、前作『ハードボイルドに触れるな』の頃は水泳に励まれていましたが、 最近は如何お過ごしですか?
あたくし、エーゲ海でしか泳がないことにいたしましたの。………嘘です。
無駄な会費を払っています。だって昼間行くと、50~60歳前後の小母様方がロッカールームでお肉をぶるぶるいわせながら権力闘争をなさっていて、怖いんです(涙)

Q.10月15日『ロマンス作家は騙される』が発売になりました。終えられての感想をお願いいたします。
どの本もそうですが、発売になるとホッして、そして別の心配が始まります。読者さんの反応はどうかな、とか。売れ行きはどうかな、とか。まあ羽根くんほどは一喜一憂しませんが、人並みには気にかけます。

Q.今回のタイトルでは『ロマンス作家は騙される』ですね。タイトルの意味を教えていただけますか?
そのまんまやん(笑)
前作に引き続き、長いタイトルにしてみました。手で書くとき、「騙す」という字が書けなくなっていて愕然としました。

Q.前作『ハードボイルドに触れるな』では羽根くん、神楽坂、千疋さんと三角関係のままで終わりを迎えました。今作の結論に至る前に何点か質問をお願いいたします。まずはニューカマー・亘理瑪瑙さんから攻めたいと思います。純文作家・亘理さんはずいぶん個性的な人でした。このシリーズではふたりめの作家さんです。亘理さんについてコメントをお願いします。
自分が編集だったら、こんな人の担当はイヤだなぁと思います。やってることも、イケマセン。私が羽根くんだったら、かかと落とし一発決めてます。でも書いているぶんには面白かったです。着ているものの傾向はエダに似ていることに、後から気がつきました。自分と同じような・ 烽フを着せているということは、案外好きなのかも知れません、彼のこと。

Q.亘理さんはとにかく暗い人ですね? そこが大変おもしろいのですがモデルはいたりするんでしょうか?
特にいません。暗いだけだとつまんないので「暗くてお喋り」という迷惑千万な設定にしてみました。でもよく考えてみると「明るくてお喋り」な人のテンションの高さに比べたら、まだ受け入れられる余地が……いや、やっぱヤだな。

Q.読者さんのなかには、羽根くんと亘理さん、ふたりの作家さんの中に榎田先生を探す人もいるのではないかと思いますが、それについてはどう思われますか?
まるきり違うとは言いませんが、似てもいないですね。あたりまえですけど、私小説じゃなく、フィクションなので。むしろ私はわりと淡々と仕事をするほうかな。まあ内心はともかく、姿勢としては淡々とです。肩凝り腰痛は羽根くんのレベルとそう変わらないかもしれません。そういえば、早々にいただいた感想メールの中に「エダさんもネットトラブルに巻き込まれたりしたんですか」とご心配してくださる方がいらっしゃるのですが、現在のところ深刻なトラブルに遭ったことはないです。まだ作家をやっていなかった頃に、顔も知らない人と大喧嘩したことはありますが(笑)

Q.この羽根くんシリーズは、三角関係をコンセプトに始まったお話ですが、三角関係についてはどう思われますか?
関与している各自が納得していれば三角だろうと四角だろうとよろしいかと思います。ただ小説にしては、なかなか難しいモチーフだとは思いました。三人のバランスをとるのが大変でした。

Q.三角関係の醍醐味ってなんでしょう?
ふたりだと見つめ合いすぎるとお互いに穴が空いてしまいます。三人いると、いろいろ分散することで視野が広く得られるかもしれません。セックスのパリエーションも豊かになるし(笑)ただ視野狭窄(しやきょうさく)に陥るのも恋愛の醍醐味なので、そのへんには欠けるということですかね。

Q.読者さんのなかには神楽坂派、千疋派、羽根くん派、変わったところではそらちゃん派もいました。榎田先生にはご贔屓はいらっしゃいますか?
みんな平等に私の子なんで、贔屓はしないのですが、金さんの絵を見ると千疋さんに目が行っちゃうんですよね~。「わー、不思議な人だやっぱし」って(笑)

Q.今回の結末……それは黄金の三角関係のままのTHE ENDですが最後どうするか、ぎりぎりまで悩まれましたか?
いいえ。「ハードボイルドに触れるな」の時点で続きがあるとすればこの結末と思っ ていました。○○が書きたかったのかな、ワタシ………

Q.榎田先生だったらどちらを選びますか?
そりゃ千疋さんだよ。マッサージしてくれるんだもの。もうそれだけで千疋さんです。

Q.榎田先生が描きたいと思われたところの三角関係は書き上げられましたでしょうか?
むつかしい質問なのでノーコメント。

Q.最後に、読者さんにメッセージをお願いします。
いつもご愛読ありがとうございます。羽根くんの2作目、お楽しみ頂けたでしょうか。いろいろ振り回されているようで、実はすごいマイペースな主人公のような気がしてきました。振り回されているのは千疋さんと神楽坂(なぜかこっちは呼びすて)のほうなのかもしれないですね。前作では千疋さん人気が神楽坂をやや上回っていたようですが、今回はどうでしょう。感想などお待ちしております。これからもどうぞよろしくお願いいたしますね☆

★榎田尤利情報!★
12月にはSHY NOVELSより東京の下町・根津の長屋を舞台にした 情と恋の匂う純愛物語『放蕩長屋の猫』が登場します。
放蕩長屋と呼ばれる長屋に暮らすまひろ、まひろの恋人で浮気性の遊真、まひろの幼馴染みで次期茶道家元の春彦。
恋に迷う男たちの純愛物語です。どうぞご期待ください!!

大好評発売中!!