著者インタビュー

そろそろ花の季節になってきましたが、いかがお過ごしですか?
お雛様に発売になりました榎田尤利先生の新作「猫はいつでも甘やかされる」、皆様、読んでくださいましたでしょうか?
この作品は東京の下町、根津を舞台にした優しい恋愛小説です。
皆様、下町というとどんな印象をもっていらっしゃるでしょうか?
今回の物語の舞台、根津は商店街や昔ながらの家並み、長屋など
情緒豊かな懐かしい雰囲気を持つ一方で、一歩奥に入ると大きなお屋敷も建っているという素敵な町です。
そこで主人公たちはどんな恋をしているのでしょう。
すでに読み終えられたという方も、これからという方も、まずは、榎田先生のインタビューをお楽しみください!


Q.昨年、2002年の「放蕩長屋の猫」に続き、東京の下町、根津を舞台にした作品「猫はいつでも甘やかされる」が発売になりました。書き終えての感想をお願いいたします。
楽しかったです~。アシュレイみたいなリッチマンを書くのも楽しいのですが、春ちゃんみたいな長屋のあんちゃんもいいですよねえ。いや、実は春ちゃんもボンボンなんだけど、あの人あんまりそう見えないし(笑)コロッケとかサンマとか似合いそうだし、実際好きだろうし。

Q.「放蕩長屋の猫」「猫はいつでも甘やかされる」の二作品について、お聞かせください。
両作品とも、根津が舞台になります。根津を舞台に選ばれた理由はなんでしょうか?

地方色を書くのが好きなんだと思います。方言を使うのも好きですし。東京もひとつの地方と考えると、ある意味最も東京らしいの下町かなーと。で、自分であの界隈を散策したときに、一番根津の雰囲気がしっくり来たんです。とくに根津神社のお稲荷さんがとてもすてきで、ここ使いたいなぁと思いましたね。あと、母方の実家がやはり下町なのも関係しているのかな。

Q.下町を書くと決められたとき、特に意識されたのは?
「いねーだろ、今時」みたいな江戸っ子気質の人たちを、あえてベタに書いてみようと思いました。

Q.長屋に思いいれがあったりするのでしょうか?
住んだ経験があるわけではないので、思い入れというより興味がありますね。

Q.長屋もそうですが、金平糖に振出、最中などこまかなアイテムがたくさん出てますが、そういうものはお好きですか?
大好きさー。

Q.好きな町、住んでみたい町はありますか?
どこでも住めば都だと思いますが、温泉の湧いている所に住んでみたいなあ。
毎日温泉に入るのですよ……うふうふうふ(遠い目)

Q.まず第一作「放蕩長屋の猫」から聞かせてください。
この作品では、「恋愛」という点でどういうことに気を遣ったでしょう?
最初にどういう恋をイメージされたのでしょうか?

「恋愛感情」のあてにならなさを書いてみたかったのかもしれませんね。好きだの愛してるだの、そのテンションはいつまで持つのか。テンションが低くなったら、そのあと恋人同士はどうなっていくのか。そこでオシマイではあまりに悲しいので、これでも最後はラブラブにしたつもりなのですが(笑)

Q.新作「猫はいつでも甘やかされる」は「放蕩長屋の猫」の脇役・春ちゃんこと紺屋春彦が主人公になります。前作「放蕩長屋の猫」をどのように意識して、二作目を書かれたのでしょうか?
んー、まあ別の話になっているので、基本的にはキャラ設定だけ引っ張ってるくらいですね。特に前作を意識してはいないんですが、春ちゃんは幸せにしてあげたいなとは考えました。

Q.前作で、春彦とは報われませんでしたね…? 今度は…?
いや、ネタバレになるといかんし(笑)

Q.春彦の恋人のシュウは日米ハーフですが、シュウをあえてハーフにした理由は?
春ちゃん和風の人なので、コントラストがあるといいかなと。

Q.両作品のそれぞれのお気に入りのシーンを教えていただけますか?
「放蕩長屋の猫」→遊真の土下座。
「猫はいつでも~」→コンペイトウの、例のシーン(笑)

Q.まひろと遊真、春彦とシュウはその後どんな生活をおくっているのでしょう?
【まひろ&遊真の場合】
きっと時々ケンカしながらも仲良く、基本的にはまひろがかかあ天下(?)になっているような気がします。遊真の浮気癖はどうなってるのかなー。でも人間は成長するものだと信じたいですね。
【春彦&シュウの場合】
そらもう、ねえ(笑)某所で新婚さんライフなんじゃないのかなあ。

Q.…余談ながら、ウィリアムはシュウに恋をしていたのでしょうか?
それとも、友情以上恋愛未満だったのでしょうか??

んー。ビルくんはこてこてのヘテロだと思いますね。恋に似た感情が、一時期はあったかもしれませんが、自覚していないかも。でもそれは彼の青春の大切な思い出であり、だから今でもシュウを大切な友人と思っているんじゃないかな。

Q.榎田先生は今回の作品もそうですが、大人の恋を描くことが多いようですが?
そうですね。自分と同じ世代が書きやすいというのがあるかも。そうすると、30代になるわけでして。あと、大人は基本的に仕事してますので、世界が広がりやすいのかもしれません。働く男を書くの好きだし。でも時々、若い子のつたない恋愛も書きたくなります。あっ、他社で書いていたりもします。とかさり気なく。

Q.今後、挑戦してみたいと考えているお話はどんなものですか? よければ、ぜひ教えてください。
本格SMとか、どうだろうか。え? だめ? 

Q.最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。
いつもご愛読ありがとうございます。著者もお気に入りの下町モノ、二冊目となりました。久しぶりに春ちゃんに会えて、私もとても楽しく仕事ができました。紺野先生のイラストも素敵ですよう~。ぜひお手にとってみてくださいね。ご感想などもお待ちいたしております。みなさまもよい春をお迎えくださいませ!

次回、榎田尤利先生は4月14日発売の「エロティック・パフューム」で危険な魅力の坂東兄弟が再登場です!!
皆様、どうぞお楽しみに!

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