『落花流水』発売記念 凪良先生インタビュー
『落花流水』の発売を記念して、著者の凪良ゆう先生にインタビューにお答えいただきました。作品の誕生秘話からお休みの日の過ごし方まで、凪良先生の魅力満載でお届けいたします。読者のみなさまへメッセージもありますよ。
それでは、インタビューをお楽しみください。
Q.本日、SHY NOVELSからは初作品となります『落花流水』が発売されますが、今のご心境はいかがですか?
A.よそのお宅に初めてお邪魔する子どもみたいな気分です。新書をやらせていただくのも初めてなので、なにもかもが初めて尽くしですご~く緊張してます。
Q.小説家になろうと志したのはいつ頃だったのでしょうか? そのきっかけも教えてください。
A.元々は少女漫画家志望でした。高校生の頃に某少女漫画雑誌の新人賞をいただいたのですが、周囲の反対もあり断念。それから一旦オタクライフから遠ざかり、もう一度創作意欲が湧いた頃にはもう漫画は描けなくなっていて、じゃあ小説を書こうと思ったのがきっかけです。
Q.子供のころはどんな小説や漫画がお好きでしたか?
A.小説だと「赤毛のアン」シリーズや、氷室冴子先生の作品が好きでした。漫画はもう選べないくらいたくさん好きな作品があります。中でも高橋留美子先生の「うる星やつら」は別格。ラブコメを書くときの私の根っこです。
Q.ペンネームの由来を教えてください。
A.特別な由来はなく、適当につけたような……。ただ後になって家族に、仕事に使う名前に「止」という字を入れるのはなにごとかと怒られました。※「凪」の字ですね。
Q.新しいお話やアイディアはどのようなときに思いつくことが多いですか?
A.音楽を聴きながら歩いているときが多いです。思い浮かんだときに聴いていた曲をヘビロテして、気が済むまで同じコースをグルグル回る(笑)
Q.時には執筆作業に詰まったり悩んだりされることもあると思います。そういったときの気分転換の方法を教えてください。
A.お風呂に入ることが多いです。ぼーっと湯船に浸かって、ヤル気ウェーブがくるのを待つ。それでもダメならお酒を飲んで寝ます。
Q.凪良先生の一番好きな攻め・受けのタイプはどんなタイプですか?
A.受けなら断然「男前」。攻めでもOKな骨のある男が受けてるのに萌え滾ります。もしくはクールで口の悪い美人女王さま。
攻めは逆に「カッコ悪い人」に萌えます。BL的ステキ攻めさまよりも、普通の生身の男っぽい攻めが好き。弱かったり、短気だったり、卑怯なことも考える普通の男。でも大概「攻めをもっと格好良く」と指導が入ります(笑)
Q.小説を書かれる上で好きな作業、また反対に苦手な作業がありましたら教えてください。
A.好きな作業は初稿を書き上げた後の推敲。書いてて苦しいのは初稿の冒頭30ページ。キャラクターが安定するまで、しつこく書き直します。
Q.設定・セリフ・キャラクターなど、小説作りに必要な要素は数々ありますが、先生が最も重要視されるのはどこでしょうか?
A.作品によって違うんですが、設定よりはキャラクターを優先することが多いです。同じ「NO」でも、この人ならどんな言葉で「NO」を告げるかなあとか考えるのが好きなので。あと文章のリズム。難しい漢字や言い回しは避けて、分かりやすく書くように心がけてます。
Q.小説を書かれるとき、「これだけは手放せない!」という必需品はありますか?
A. 飲み物と音楽。それと最近になって「現代国語表記辞典」がプラスされました。「落花流水」を書いたとき、表記の統一があまりにバラバラで、これはいかんと反省して、以来PCの隣に置いてます。
Q.お休みの日はどのように過ごされることが多いですか?
A.寝転んで、おやつを食べ、読みたい本を読み、眠くなったら寝る。という休日を送りたいのですが、実際はなんだかんだ、ちょこちょこ仕事をしている気がします。休むと決めたらキッパリ休める人になりたいです。
Q.最近のマイブームを教えてください。
A.玄米緑茶を「食べる」。苦いのをモグモグ噛むのが煙草を吸ってる感覚に似ていて、超ささいな気分転換になります。禁煙4年目です。ハイ。
Q.今回『落花流水』のご執筆にあたり、苦労されたこと、楽しかったことを教えてください。
A.実はこれを書いていた当時、すごいスランプの真っ只中でした。それまでどうやってお話を書いていたのかさっぱり分からないという、精神的どん底状態だったのですが、こうして無事に書き上げることができてホッとしています。
Q.キャラクターはどのように生まれてきたのでしょうか? モデルはいらっしゃいますか?
A.モデルはいません。SHYさんは私の中でハードなイメージのレーベルだったので、ハード=裏社会という単純な図式が頭にあったのかもしれません。でも経済力もバッチリな素敵ヤクザを通り過ぎ、格下の貧乏チンピラに走ってしまったのは作者の趣味丸出しだと思います。
Q.キャラクター作りをする上でのこだわりがありましたら教えてください。
A. そのキャラがしなさそうな行動はさせないとか、らしくない台詞は喋らせないとか、ごく基本的なことばかりです。あと格好よすぎる人は書かないとか。
Q.『落花流水』の登場人物の中で先生が恋人にするなら誰がいいですか?
A.誰もしたくない(笑)私は平凡な暮らしを愛する小市民です。
Q.物語中に一也が流れ星にお願いをする場面がありますが、もし先生が流れ星を見つけたら、どんなお願いをしますか?
A.周りに迷惑をかけない程度でいいから「落花流水」が売れますように。あと綺羅星のような文才をください。健康な身体と鋼のような精神力もほしい……って祈ってる間に星も落ちますね。
Q.一也と夏生の恋の行方はもちろん、裏社会を舞台に息を呑む場面が展開されていきますが、読者のみなさまにぜひ注目してもらいたいオススメのポイントを教えてください。
A.ここというポイントより、人生転がり落ちていくときの抗いようのない流れの速さや、それが行き着く先を楽しんでいただければと思います。
Q.悪い方へ悪い方へと転落しながらも、一途に夏生を思い続ける一也の姿が印象的で胸を打たれました。先生ご自身、生活していく中で絶対に譲れないものはなんでしょうか。
A.小説を書くこと。元来飽きっぽい性格で、一つのことが長続きしたためしがないのですが、小説を書くことは不思議と続いてます。書いてる間中、他人に憑依してるような感覚が楽しめるからでしょうか。イタコ体質なのかも。
Q.今後書いてみたい設定やキャラクターがありましたら教えてください。
A.コミカルな短編連作で、毎回色んな受けに振られていくバーのマスターの話とか書きたいです。果たしてマスターに恋人はできるのか、みたいな。あとロマンチック・ホラーにもトライしてみたい。少し怖くて、少し切ない、不思議な出来事系ホラーBL。受け攻めともに幽霊なんて楽しそうですね。書きたい話は山ほどあります。プロットさえ通れば(笑)
Q.最後に、読者のみなさまへメッセージをお願いします。
A.これからもシリアス/コメディ、色々な形の恋愛を書いていきたいと思っています。精進しますので、どうぞよろしくお願いします。
凪良先生ありがとうございました。
これからも凪良先生のご活躍にみなさんご期待くださいね。