著者インタビュー

現在シャイノベルスより『ロマンチック・ウルフ』が発売中のたけうちりうと先生に インタビューをお願いしました。
どうぞ、お楽しみください。

Q.ペンネームの由来を教えてください。
竹の中の楽器というような意味にしようと思ってました。ギターでもピアノでも良かったんですが、ゴロが合いませんで、
『たけうちぎたあ』(おいおい)
『たけうちぴあの』(可愛いすぎて小生には似合わない)
というように迷ってたんですね。
ちょうどそのころ知人の和菓子屋の茶房でつのだたかしさんのリュートのライブがありまして、行ってみたところ、典雅で詩情あふれるこの楽器の音がすっかり気に入った、というわけです。音楽が集団化したときにリュートは音量 の小ささゆえにオーケストラから洩れてしまったのだという話でした。そのへんもリュートが気に入った理由のひとつです。リュートを和風に書いて『りうと』としようと決めたのはライブの帰りの車の中でありました。

Q.子供の頃好きだった小説、または漫画はなんですか?
漫画は手塚治虫先生。虫好きも先生の影響だと思います。小説はやはり漱石先生ですねえ。胃弱は先生の影響だと思います(笑)あとは川端康成。

Q.最近読まれたなかで気になった本、気に入った本があれば教えてください。
ウソの科学 騙しの技術 日垣隆編
理科系雑学 竹内均編
かわいい。 新潮OH!文庫

Q.最近聴いている音楽はなんでしょうか?
ラッセル・ワトソン
清水靖晃
吉田兄弟
ビョーク
モシリ&坂田明
などなど、などなど、いっぱいです。

Q.お休みのは何をして過ごしますか?
掃除。バードウォッチング。猫とひなたぼっこ。
ご近所猫のナンパ。ドライブ。車中でロックを聴く。
山寺や草花の写真を撮る。
詩を書き川柳をひねる。
ご隠居のようですね。ハハハ。

Q.どんな子供時代を送りましたか?
有名なイタズラッ子でした。一年に364種類のイタズラをしていたとか。おとなしかったのはお年玉 をもらう元旦だけでした。高いところによく登りました。川にもよく落ちました。よく危ない目に遭ってました。無鉄砲でしたね。

Q.書き始めたきっかけはなんですか?
ある日突然、血が沸いて。

Q.ボーイズにハマッたきっかけはなんですか?
今でもハマっているかどうか我ながら懐疑。うーむ、思い起こせば
源義経と弁慶でしょうかね。弁慶が義経を叩く舟渡しの場面。
打たれて耐える義経と、主君を守るため涙を胸のうちにじっとこらえ、義経を打ち据える弁慶。
胸にぐぐっと迫るものがあった。
六歳くらいのときでしたねえ。変な子どもでした。

Q.もう一度人生をやり直すとしたらどうしますか?
僧侶ですかね。読経と修行とモノ書く日々(同じじゃないか)(笑)

Q.今一番ハマっていることはなんですか?
座禅、迷走もとい瞑想。

Q.自分の作品で一番気に入っているキャラは? 苦手なキャラは? その理由は?
いずれも可愛く捨て難く彼ひとりと決めかねますが。
あえてあげるとすればヒロこと館林洋久でしょうか。
苦手なキャラですかー。うーん。すぐには思い当たらないですねえ。
探してきます、ハイ。

Q.これから書いてみたい作品はなんですか?
---------------です。

Q.書く上でこれだけは譲れないということはありますか? あるとしたらなんですか?
基本的に何かに対して「譲れない」ということはないですねえ。
杭をうってこの先譲りませんよというよりは、扉をあけて一歩踏み出すか問題を迎え入れ、解決方法を考えよう、という性分なので。
ですが、いわゆる学園ラブラブという内容のものは書けないでしょう。
書けたとしてもおそらく読めたしろものじゃないだろうなあという気がします。

Q.気分転換方法はなんですか?
ドライブ

Q.今回発売になった『ロマンチック・ウルフ』について質問です。
  まずは、この作品を書こうと思ったきっかけ、動機をお願いします。

泥棒さんを書きたかったので。

Q.主人公のウィリアムとダニエルは、ダニエルの秘密主義のせい焦れたりすることもありましたが、ふたりの今後の行方は?
美術書の共著をしてるんじゃないかと。

Q. 今回の『牧童の午後』が本当に最後の仕事になったのでしょうか?
編集さーん、「最後にする」とダニエルに言わせちゃったあとじゃないですか。
でも先のことはわかりませんね(笑)。

Q.今回、羽田宙が登場しました。『羽田家』といいますと、たけうちさんの作品 の中では有名な一家です。(『ラブ・サピエンス』には羽田家の長女・羽田森が活躍してます)羽田宙はたいへんな粗忽者とあります。羽田家の人間は粗忽な人が多いようです。プロフィールの箇所でご自身にも『粗忽』という表現がありますが?

粗忽です。たけうちが粗忽なのは皆、知ってると思う。
羽田家の面々はごく昔からあちこちへ出してますので、もはや家族のような感触がありますね。
兄弟の父、羽田學涼の話もそのうちどこかで書きたいと思ってます。

Q.羽田宙はウィリアムに恋をしていましたが結末は……。彼の今後は?
仕事をさせておきましょう。

Q.今回の作品『ロマンチック・ウルフ』はイギリスが舞台のお話です。 イギリスといえば、アフタヌーン・ティー。作中にも何度かおいしそうなティータイムが登場しますね?
食い物系についてはどうも知識が至りませんで、調べまくりました。
紅茶は好きですので楽しく書けました。

Q.たけうちさんの作品にはいろいろな国が登場しますが、外国を舞台にする時、 日本を舞台にする時の基準はあるのでしょうか?
法律と社会背景が日本では無理というような場合は外国へ行きます。ボディガードといえど一民間人ですから銃を持つのは日本では無理ですよね。登場人物の性格、行動パターン、思想が日本的ではなく、キャラクターが普通に行動しているのに浮いてしまう可能性がある場合も外国へ持っていきます。日本的なニュアンスや情緒が必要、あるいは日本特有の表現、言い回しを要する場合には日本です。

Q.作品を拝見しているとその土地の風景が浮かんでくるようです。また、ロボッ トの『ソラ』を始め、コンピュータ、美術品など資料探しが大変そうですが。
資料探しと取材は執筆時のココロのオアシスですね。取材中、よく騒いでいます。「おお、こんな面 白いことがある!すごい!あのときのコレがこんなところに!」発見の連続です。知らなかったことを知り、新しい世界を学ぶのは楽しいものです。

Q.資料探しのコツはありますか?
不思議と必要な資料は向こうからカモがねぎしょって来る状態になることがしばしばあります。資料探しの第一ステップはインターネット。図書館と書店は絨毯爆撃します。関連ビデオも手に入る限り観ます。あとは現場へ突撃レポートです。面の皮がじゅうぶん厚く、心臓に毛が数十本生えているので現場レポも楽しく経験させてもらっています。

Q.イギリス紳士には一家言あるようですが?
紳士ウンチク本でも書きますかね(笑)。

Q.理想の紳士像を教えてください。
杉原千畝さんです。

Q.製作裏話、秘話がありましたら教えてください。
書いたエピソードが現実になっちゃうということがありますね。現実に事件が起きてから追いかけたのでは小説の面 白さは半減ですから、思いついたネタは早く書けということなのかなあと思っています。

Q.『ロマンチック・ウルフ』をこれから読む読者さん、読み終えた読者さんにメッセージを!
あなたもヴァンダイクに嘗められてみてください。

Q.ファンの方々に一言!
いつも君と一緒です。ありがとう。これからも楽しんでいただければ幸いです。

※訂正とお詫び※
『ロマンチック・ウルフ』カバープロフィールで、たけうち先生の誕生日が1月9日 生まれとなっていますが、
正しくは11月9日生まれです。たけうち先生、読者の皆様にお詫び申し上げます。


4月、たけうちりうと先生の新刊『紳士とペナルティ』が発売になります。
香りたつ色男トム・ショルティの恋が鮮やかに描かれています。
なかでもパブリックスクール時代はパブリックファンを満足させること間違いなし!どうぞ楽しみにお待ち下さい。