著者インタビュー

すっかり冬めいてきましたが、皆様いかがお過ごしですか?
この11月26日にシャイノベルスより『恋愛は貴族のたしなみ』が発売になりました。 寒い冬にはホットな恋ということで、ゴージャスな恋ならおまかせ!の遠野春日先生にインタビューをお願いしました。
『恋愛は貴族のたしなみ』!?です。どんなお話なのか気になりますよね~!
それでは、インタビューいってみましょう。

Q.遠野春日先生、初めまして! まずは遠野先生ご自身について聞かせてください。 ペンネームの由来、それにまず遠野先生がどういう人であるのか、遠野先生ご自身をご紹介お願いします。
ペンネームですが、「遠野」は本名を一字残して適当に、「春日」は二通りに読める名前を、ということで、全体のイメージを大事にして決めました。それが某先生のキャラの名前と同じと知ったのは、既に同人誌を何冊か発行してからのことでした……。わたし自身については、ミーハーで、ある意味インスパイアされやすく、好奇心旺盛です。でも全体的にぼーっとしています。

Q.近況を教えていただけますか?
今年はとにかく、ずっとずっと仕事をしています。あ、最近、S●クラブに取材にいきました。作品にするには、場所を選びますので、いまのところ書く予定はありませんが、雰囲気を知るだけでも参考になったと思います。

Q.小説はもちろんですが、かなり漫画もお好きなように感じるのですが、子供の頃好きだった小説、漫画を教えていただけますか?
「静かに自習せよ」という本がありまして、続編と共に大好きでした。もちろん幼少から児童文学全集で育ち、ルパンの大ファンだったりもしたのですが、全文書き写したいほどの衝撃を受けたのはこの作品が最初です。マンガはやはり萩尾望都さんかな。近所にませた同級生がいて、彼女に「ボー」を勧められたのが出会でした。あと、水上澄子さんとか、清原なつのさんとか。子供時代のマンガについて語らせたら、止まらなくなります(笑)。

Q.毎日お家でのお仕事になるわけですが、気分転換はどうしていますか?
皿を洗うとか、コーヒーや紅茶を淹れて一息つくとか。昼間からお風呂に入ったりもしますね。

Q.お休みの日は何をして過ごしますか?
お街に出て買い物したりランチしたり。友人とデートしたり。遠出もだいたい月一くらいの割りでしているような。なんかこう、最近は「ここがわたしの休みだ」というまとまったものが少ない気がするのですが……。

Q.小説を書き始めたきっかけはなんですか?
ある日突然、大学ノートを親に買ってきてもらって書き始めましたね。そのときのことは今でもはっきりと覚えています。中学・高校時代は、とにかく暇さえあれば妄想を文章にしていました。当時のノートを見ると、そのとき自分が何に興味を持っていたのかが如実に出ていて、怖くかつ懐かしいです。

Q.遠野先生が書かれる小説におけるボーイズラブの定義をお願いします。
読んで楽しいこと。あくまでも男同士であること。

Q.遠野先生はすでに十冊を超える作品をだされていますが自分の作品で最も気に入っているキャラは? 苦手なキャラは? その理由はなんですか?
最近一番気に入っているのは「ひそやかな情熱」の黒澤遥さん。受けが美人はわたしの定番ですが、攻めでこれほど綺麗さと色気が出せたのは彼が初めてなので。苦手なキャラというのは基本的にはいません。動かなくて書きづらいというキャラなら何人かいますが。わたしは悪役もすべてこみこみで全員どこか好きなんですよね。

Q.書く上でこれだけは譲れないということはありますか? あるとしたらなんですか?
品があるのが好きなんです。だからそれ。わたしの場合の品というのは、下品な言動の中にも品がある、という意味でして、そこがなかなか難しいです。成功しているかはさておき、心構え的に譲れませんねぇ(笑)

Q.さてなんだか唐突ではありますが、、そろそろ今回の小説『恋愛は貴族のたしなみ』についてお聞きしたいと思います。今回は時代設定など架空のゴージャスな恋をコンセプトに貴族の恋愛を小説として書かれました。まずは書き終えられてのご感想をお願いします。
昔は外国を舞台にした王侯貴族ものばかり書いていました。久しぶりに設定を貴族にしてみて、「ああ、あの頃からは遠くに来たなぁ」と思ったのが書き終えて最初の感想です。架空設定のはずなのに、はちゃめちゃにはできない、そこに自らの成長と限界を感じました(……大袈裟ですか?)。でも作品的には大好きなパターンです。傲慢攻めと意地張り受け。しかもハンサムと美人。書いていて楽しかったです。

Q.タイトルについて教えてください。
えっ……困惑。読んだとおりなのですが、「金と暇を持て余しているお貴族様は、恋をするのも当然、たしなみの一つ」というところでしょうか。

Q.滅多にないタイトルだと思いますが、どうやって決められたのですか?
担当様に言う直前、閃きました。それだけです、すみません。

Q.お話が生まれたきっかけはありますか?
いえ。貴族ものでいきましょう、という話になったので、貴族かぁと思って書きました。もともとそういうのが好きなので特に迷いもなく。

Q.貴族が主役となると、書かれる上でこれまでの作品とはまた違う注意点がでてくると思うのですが、どうでしたか? やりにくい点などありましたら教えてください。
一番気を遣ったのは、「貴族はゴージャス慣れしている」というキャラクターの意識を、作者のわたしが忘れない、という点でしょうか。それを怠ると、いわゆる貴族という世界観が嘘くさくなる気がして、注意していました。普通ならばコテコテに豪華だと主張するところをさらりと流してしまうとか、そんな細かなことなんですが。そうすると、逆に読む方にゴージャス感がうまく伝わるかどうかが心配でした。

Q.遠野先生の貴族に対するイメージはどんなものでしたか?
ぼーっとしている。プライドが高い。金銭感覚に乏しい。エピキュリアン。今回に限っては「アンナ・カレーニナ」に登場する貴族の感覚を、一部参考にさせて(あくまで参考)いただきました。

Q.主人公の馨(かおる)、威彦(たけひこ)、恭宏について一言ずつコメントをいただけますか?
馨は、純粋でむぎゅっとしたくなるほど可愛い。威彦は、遣り手で、性格や態度がとにかくお貴族さま。恭弘は、紳士で、非の打ち所がなくて損をするひと。

Q.この作品のなかでお気に入りの登場人物はいますか?
威彦の屋敷にいる執事。

Q.馨と威彦、ふたりは今後幸せに暮らせるのでしょうか?
わたしが想像しますに、かなりラブラブです。案外、威彦のような男は、本命に一途で浮気をしないものだと思われます。

Q.この作品のここがお勧め!というところは?
適度にキチクで、最後は甘くラブラブなので、安心してお読みいただけます。
二人の乗馬シーンなども作者的にオススメです。

Q.今後ぜひ書いてみたい!と思われるのはどんなお話ですか?
お貴族ものももっと書かせていただきたいのですが、その他には、貧乏でだらしないけどものすごい野心家の攻めと、彼に惚れて金蔓にされたり辛く当たられたりしつつ耐える受けの話など、……書きたいです。

Q.製作秘話、裏話などがありましたら、ぜひ教えてください。
遅筆度が進んでしまい、なかなか大変な執筆になりました。一日1枚しか書けない日が何日もあり、気持ちばかりが焦るのです。でも決して書きたくないわけではなくて、自分自身どんな心境なのかわかりませんでした。最近はどの原稿もそう。どーしてなんでしょう(涙)。

Q.『恋愛は貴族のたしなみ』をこれから読む読者さん、読み終えた読者さんにメッセージをお願いします。
今回のテーマは実はもう一つありまして、ずばり、ハーレクイン調です。これから読まれる方は、結末の心配をなさらずに途中のドキドキ感とロマンチック感を楽しまれてください。強引で少し乱暴な攻めに翻弄される美人で可愛い受けは、たぶん王道のはずです。読み終えた皆さまは、どうかご意見ご感想をお聞かせくださいますと嬉しいです。今後の作品への参考にさせていただきます。どちら様もどうぞよろしくお願いいたします。

Q.最後に、すべての読者さんにメッセージをお願いします。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。
拙いながらも、現時点での自分の力を出し切って毎回執筆しています。長い目で見てやっていただければ幸いです。どうぞよろしくお願いします。。

★遠野春日先生情報!★ 年内は「恋愛は貴族のたしなみ」がトリです。
2002年は、2月にリーフさんからボディガードと御曹司の事件性のある話、そしてムービックさんからHPで連載していた作品に番外編を書き足した話が、いずれもノベルズで発刊されます。あと、3月と4月には雑誌のお仕事もします。ビブロスさんとハイランド(ラキア)さんです。次回大洋図書さんからの本は、6月の予定で入れてもらっていますので、あわせてよろしくお願いします。

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