著者インタビュー

大変お待たせ致しました。ボーイズアニマコミックス「共犯者に口づけを ~サディスティックボーイ1~」が発売中のとりマイア先生のインタビューです。サデスティックボーイ誕生秘話(?)~日常生活まで、先生の世界観をたっぷりとお楽しみください。

Q.7月28日にとりマイア先生の「共犯者に口づけを ~サディスティックボーイ1~」が発売になりました。「サディスティックボーイ」が生まれたきっかけをお教えください。
編集さんとの打ち合わせで「何か今やりたいものはありますか」と訊ねられ、とっさに「学ランもの!」と叫んでしまいました。心のそこから何も考えておりませんでした。承諾いただいたもののどうしようかと思いましたわ。

Q.登場人物がとても魅力的ですが、登場人物の簡単な紹介とご贔屓の人物がいらっしゃいましたらお教えください?
高須更紗………優等生の仮面をかぶったサディスト
新条一成………耐える男。更紗の恋人
松永遥希………淫乱で奔放な薬剤師。更紗のいとこ
間宮光司………マッドドクター(はっ、コミックスにはまだ出ていないわっ)
川崎豊…………まだ出番があるのかどうかわからない不良少年
中原とおる……まだ出番があるのかどうかわからない不良少年のぱしり
高須理事長……あら名前がないわ。更紗の養父。 キ真面目なカタブツ

…ミもフタもない紹介な気がいたしますわね…。本気になさっちゃ いやん。(でもちょっと本気)
一成はもともとあたくし的に好きなタイプなんですけど、更紗のキャラが、あまりないタイプなのでもっとつっこんで描きたいです(あらやだわ、「つっこむ」だなんてはしたないことを…いえそうでなくて…なに慌ててんのかしらあたくしってば)贔屓は遥希。なんでもありなキャラなので動かしていて楽しいんですの

Q.登場人物にモデルはいるのでしょうか?
モデル…考えた事もありませんでしたわ。いるとしたらあたくしの頭の中での妄想として存在しているのかもしれませぬ。ちなみに「間宮」という名前だけは日本のピアッシングの第一人者「間宮栄三」さんから(勝手に)頂きました。こめんなさい。

Q.ズバリ、先生のボンデージへのこだわりと制服へのこだわりをお教えください。
ズバリ、ストイックさ。
 ボンデージはそもそも「いたす」ための衣装ではなく拘束するためのものですのよ。持っている力を封じられて、無力になってしまうところにエロスを感じるあたくしは変でしょうか? 根っからのボンデージ好きには「本番」はたいした意味をもちません。(あたくしは好きだから描きますが)
あたくし的には、拘束をとけばいつでも反撃できる力を持っていなければそそられませんので、殿方のボンデージが好きなんですの。姫君を縛るのは無力なものをよりいっそう無力にするだけなので、これはあたくしの趣味とは違うものなんですね。姫君のボンデージなら女王様でないと。ですので、露出度の高い衣装より、覆う部分が多い衣装であるほど拘束感が高まるので、なお好きなんですの。
 ボンデージの持つかっこよさはもちろんですけど、拘束することによって、強い者と弱い者の構図がひっくりかえる、というところがツボ ずっぽり。年下攻め、女の子攻め、部下攻め、その他の下克上、弱い方が強い方をいじめてこそいじめがいがある、というものですわ。
 制服も同様に、個人の持っている個性を全部拘束しているもの、という意味で、あたくしの中では日常ボンデージと分類されております。学ランはまたそれだけではない魅力がありますけど、現実で学ランの似合うオノコにはそうそうめぐり会えないものですわねぇ。せめて漫画の中で…と思っておりますが、力不足でなかなかかっこよく描けません。奮励努力いたします。
 ああ、つい、熱くなって長くなりましたわ。失礼致しました。
 ところでついでに サラリーマンの背広、医師の白衣などもそれを身に付けた時、個人の中の何かを殺さなければいけない、という意味においてあたくし的ボンデージ。

Q.先生の描かれるHシーンは、いつも涎垂モノのハードさと斬新さですが、考えつかれる瞬間はどんな時ですか? また、表現する時に悩む事などありましたらお教え下さい。
それなんですのよねぇ。お散歩とかお出かけしている時にぼーっと。足と脳は連動しているらしく、歩きながら考えつく事が多いんですのよ…。それはそれは浮き世ばなれした顔つきをして歩いているらしく、見知らぬどこかのおばさまにいきなり顔をのぞきこまれて「どうしたの!?あなた 大丈夫?救急車よぼうか!??」と言って頂いた事が…。その救急車であたくしは どのような種類の病院に運ばれてしまうところだったんでしょうか…?
 表現に悩むと言うか、どのようなボンデージ衣装を着せて、どう言う形に拘束するかが大問題です。縛り方で動作が限定されてしまうので、構図が単調になってしまわないようにと容量の少ない頭をフル稼動させます。

Q.先生はどんな毎日を過ごしていらっしゃいますか? 近況をお教えください。
最近は3匹のネコがじゅんぐりに病気になり、看病で忙しいんですの。
ちょっと元気になると外に飛び出すので、日々、ネコの尻をおいかけまわして過ごしております?

Q.今の気分転換の方法は何ですか?
鍼の先生のアドバイスにより
なんにもせず、なんにも考えず本気でぼーーーっとするようにと。
これにはかなりの才能を必要とするようで、なかなかうまくいきませんのよ。

Q.最近聴いている音楽は何でしょうか?
今のお気に入りは DA PUMPとポルノグラフィですけど
中島みゆきと井上陽水はいつもまんべんなく(ちょっと赤面)

Q.更紗と一成の今後の展開がヒジョーーに気になりますが、ちょっとでいいので教えていただけないでしょうか?
ああああ、あたくしも教えて欲しいです~~。
最後は決まっているんですけど、どうやったらそこまでたどりつけるか…。
ちなみにコンセプトは「奇妙な三角関係」です。

Q.コミックス化するにあたり一番苦労した点、楽しかった点などをお教えください?
表紙イラストの絵柄を…こっちむいてツーショットで笑っていなきゃまずいかしら、表紙で目を隠すのは、普通 御法度なんだけど、大丈夫かしら、と。
編集さんの御英断でOK頂きましたが、読者ちゃん的にいかがでしょう?どきどき。

Q.カラーのイラストはデータイラストですが、手塗りとデータの違い、またデータのメリット、デメリットなど、よろしければ教えてください?
メリットはそりゃもう、何度でもやり直しが出来る、という。そもそもナサケない事に あたくしがCGを始めた動機はそれひとすじでございます。カラーが下手なもので。手塗りの効果のほうがやわらかくて好きなんですけど。
 デメリットは、いくらでもやり直しが出来るので、なかなか完成しない事と、腕がついていかないので とっても恥ずかしい事と、パソちゃんがしょっちゅうストを起こして固まる事と…
あら。デメリットの方が多いわ。変ね。

Q.先生はよく海外に旅行に行ってらっしゃいますが、今までで一番おもしろかった国は何処でしょう?
人がおもしろかったのはイタリアですけど、なんといってもお勧めはウイーン!
夏に行ったんですが、ホテルの窓を開けると、そこここから音楽が流れてくるんですのよっ。コンサートホールはもちろん、そこら中の公園で野外コンサートが開かれているんですの。公園にしつらえたステージで、演奏やダンスを、ビールなど頂きながらながめる贅沢はそれはもう。(お代はビール代とちょっとぐらい)そして合間に生演奏で踊らせて頂けるの。あたくし のりのりで踊っていたら、イヤリングをふっ飛ばしてしまいました。コンサートが終わってから気付いて探しにいったところ、一緒に踊った観光客のグループがそれを見つけて拾って、持ち主があらわれるのを待っていて下さいましたの。
そしてその中の殿方のひとりが大袈裟なジェスチャーでそれをあたくしの耳に戻して下さり、きれいにおさまったのを見て拍手喝采。ガラスの靴がぴったりはまったシンデレラのような気分にさせて頂きました。それはイタリア人のグループで、そのせいで観光バスの発車を遅らせてしまいました。
ウイーンまでいっても、陽気でおもしろいのはイタリア人だった、と。それに懲りて、イヤリングはピアスの穴を開けました…ってあたくし、よけいな事しゃべってます?
ああでも もう一言、その時飛ばしたイヤリングはビーズで手作りの安物でした。
ありがとう、その時のイタリアの人。御親切は忘れておりません。
 そういうわけで新婚旅行ならウイーンへ、失恋旅行ならイタリアへお出かけなさいまし。

Q.先生が参考にされている資料はとても興味深いのですが、おもしろかったもの、オススメのものなどありましたら、ぜひ、お教えください?
よくぞ聞いて下さいました。
海外もののゲイボンデージ本なんですけど、いろいろあるんですのよ。
まずデブ専。タイトルが「バルーン」笑えました。それに「ベア-系」と呼ばれる体毛満載のマッチョ専門誌、フケ専、ひげのおやじ多し。軍隊、警察も人気のようです。これらはお笑い系ですね。いえ、本人達はいたって真剣なんでしょうが。でもオススメというなら、「BOUND&GAGGED」という雑誌ですね。ボンデージ衣装は少ないですけど、縛り系アメリカ版。時々、日本の「縛り」をまねてると思われるものがあるんですが、めちゃくちゃに縛ってあるだけで、気の狂った蜘蛛が張った巣みたいになっています。だめじゃん。日本の「緊縛」の芸術性を再認識する一こまですね。
 鞭、手かせ、首輪、手錠等は現物がいろいろありますが使用したことはありません。
ええ、ありませんともっ。

Q.制作秘話、裏話などありましたら、お教えください?
キャラのつやベタ髪にアシちゃんが苦労しております。
レザーや学ランのつやベタはあたくしの生き甲斐なので自分でやりますが、髪の毛はおまかせしていますの。髪のつやベタだけで3日かかります。それも同じように見えても、微妙に違うので、アシちゃんは一段と混乱します。更紗は「天使の輪」遥希は「メッシュ」間宮は「ざんばら」とか呼んでおります。さらに更紗に動きが加わると天使の輪は乱れてメッシュ系に…と大変注文が多く申し訳ないです

Q.今後、どんな作品を描いてみたいとお考えですか。

今は、今の作品をどうすすめるかで脳みそははちきれんばかりです。
なにしろ容量が少ないので…。

Q.まだ呼んでいない読者さんに、そして読み終えた読者さんへそれぞれ一言お願いします。
まだ読んでいないあなた、こわくないのよ、かみつかないから読んでみて下さってね。
読んで下さったあなた、これからも精進しますから見捨てないでね。

Q.最後にファンの方々に一言!
好きっ!

Q.今後のお仕事情報をお教えください。
「ボ-イズアニマ」と光彩書房「絶対麗奴」の2誌のシリーズに全力を注ぎます。 
(くどいようですが脳みその容量が…)
10月には光彩書房から、「星の館シリーズ」の3册目コミックス発売が発売の予定ですのでなにとぞよろしくお願い申し上げます。それから、女王様もののコミックスの話も進んでおりますが、まだ時期が決定しておりません。同人誌で発表していた「人間人形シリーズ」をそのコミックスで完結させる予定です。