著者インタビュー

今年は過ごしやすい夏ですが、みなさま如何お過ごしですか?
8月1日、たけうちりうと先生の『冷たいシーツの上で』が発売になりました。気になるタイトルのこの小説は、レントゲン技師の立科怜と診察医が似合う研修医・厳原先生の大人の恋が書かれた一冊です!厳原先生のお色気と立科技師の甘えん坊な末っ子気質がぶつかりあって魅力になってるのです。蓮川先生のイラストも見逃せませんよ~。ここでは、作者のたけうち先生のインタビューです。他では聞けない秘密もあるかも? それでは、読んでみて下さいね!

Q.今年は夏だというのに冷房いらずの日々が続いていますが、たけうち先生は如何お過ごしですか?
この何ヶ月かHPを作っていまして、7月20日に公開しました。
色気のかけらもないサイトですが、よろしかったら見に来てください。
他には何か……何もないですな。相変わらずです、ハイ。

Q.今回は病院が舞台のお話ですが、病院にはどんなイメージを持ってらっしゃるのでしょうか?
十年ほど前に家族が入院したとき、執刀医だった心臓外科医と会って、医師、病院対するイメージがずいぶんと変わりましたね。外科医としても有名でしたが、彼は患者と家族の気持ちのわかる医師でした。しかもこっちが言わないことも表情や態度から読みとっちゃうんです。うーん、こういう人もいるんだ、医学界ってところは。という感じでした。それまでは医師というのは人間の痛みに対して(職業だから)無頓着で当たり前なのではと思ってましたから。彼と会って見方が変わりました。

Q.作品を書き終えられての感想を教えて頂けますか?
知人(看護師)に聞いたところでは研修医というのはけっこうおかしな人達だという 話で、それなら好きなようにおかしく書かせてもらおう、と。おかしな人を書くと嬉しい。なので、今は書けて幸せだったなあ。と思ってます。

Q.執筆前にいろいろ調べられると思うのですが、医師という職業に対して印象は変わっ
たりしましたでしょうか?

取材して印象が変わったということはありません。医師も人それぞれで、結局は個人差、個性だな、と。

Q.主人公のひとりはレントゲン技師、ひとりは研修医です。
レントゲン技師という職業を選ばれたのはどうしてですか?

X線診断装置とX線撮影機械とX線フィルムと画像が好きだから。X-rayフェチなのかも。

Q.主人公である立科怜、厳原慈乃についてコメントをいただけますか?
【立科怜】
 受受しくない受にしよう。自律歩行する受にしよう。
そうしよう。
【厳原慈乃】
 くどくど口説かない攻にしよう。お色気満載にしよう。
そうしよう。

Q.登場人物の名前ですが、由来、イメージはあるのでしょうか?
なんだか着ているものを人前で脱ぐときのように答えるのが恥ずかしいが。立科怜はですね。自分の足で「立」、放射線「科」、X-「ray」です。厳原慈乃は「厳しい」のと「慈愛」とが一緒になったイメージで。

Q.前回の作品『推定恋愛』ではお米とお蕎麦が、今回はカレーパンが語れていますが、たけうち先生はどんなカレーパンがお好きですか?
カレーパンは若い頃、やたら凝りました。新しいパン屋ができると駆けつけてカレーパンがあるかどうか調べたものです。カレーは辛党ですので、辛口カレーパンが好きですね。カレーの水気は少なく辛めで、外はかりっと香ばしく、最初の一口でカレーがじわっとしみてきて「うーん、美味い!」というようなカレーパンがいいなあ。
でもあんパンのほうが好きなんだよね。なんだか変?

Q.少々ネタばれにもなってしまうのですが、作中、厳原先生は辞表をだしたあと、荷
物をトランクルームに預けることに…というようなシーンがあります。厳原先生自身
はどうするつもりだったのでしょう?

ホームレスでしょう。橋の下に寝起きする。苦労させたいキャラだし。

Q.厳原先生は法曹一家の生まれということでしたが、順当にいけば弁護士になっていたのでしょうか?
弁護士というより判事とかのほうが似合いそうですが?

なんの挫折も経験しないで判事になっちゃいけません。もっと苦労せい。

Q.作中、末っ子気質、末っ子体質とさんざんでてきますが、それはどんなものなのでしょう? 身近にそういう方がいらっしゃるのでしょうか?
三人以上の兄弟姉妹の末っ子って、日本ではすでに、かなり少ないんですよ。昔は「一人っ子」が珍しかったので、その特性についてさまざまな意見が出されましたがこれからは「末っ子」というのが珍しい存在、注目される子どもになっていくと思います。長男長女は大勢いるけれど、末っ子と呼べる存在は少ないはずです。ふたり姉妹やふたり兄弟の下を「末っ子」とは呼びませんしね。少なくとも兄弟姉妹数三人以上必要になるわけです。怜のように四人の兄姉がいて一番下、しかも年が近い兄とも八歳離れているというような場合、作中に書いたように、末っ子が家族の絆の中心に置かれるという現象が発生しやすいと、ものの本で読み(リトル・プリンス現象)、面白いと思って使ってみました。

Q.今回も安藤医師、DJのほかに厳原先生の兄である厳原弁護士、家具デザイナーの麻井と個性豊かな面々がでましたが、書いていて特に楽しいと思う人はいたりするのでしょうか?
やはり安藤ですね。そのうち仲人ですよね。

Q.今作品のお気に入りのシーンを教えていただけますか?
公園でふたりが話しているときと、そのあと芝生で転がっているときに、公園掃除のおじさんが軽トラックで通りかかるんです。
原稿出すときに削っちゃったけど、一回目は荷台が空で、二回目は剪定した枝葉満載してるんです。
偏愛のあまり軽トラックおじさんに名前つけようかと思いましたね。○○造園、とか。

Q.タイトルの『冷たいシーツの上で』は作中でも使われている言葉ですが、
意味するところを教えていただけますでしょうか?

この言葉を含む本文中の文章は、二行にわたってソネット仕立てになってまして、
語呂もいいし、涼しげで気持ちよさそうだというので決めました。
別案に「王子様は・ハートマーク・X線技師」とか、「悩殺お色気研修医・禁断の独身寮」とか「透ける情欲・脅威のX線世界」とか、いろいろ候補があったんですけれど、まあ、ほどよいところで「シーツ」にしましょうかねと。

Q.次回は『探偵とボディガード』で登場です。一言どうぞ!
 予告編のアナウンスとトレーラー映像ふうに解説してみましょうか。
 2003年秋。
 舞台はニューヨーク。
 それはライトなラブ・アフェアのはずだった。
 シャイ(ここに誰かの顔のアップが入る、笑顔)
 ストイック(ここに誰かの全身が入る、ロング)
 セクシー(ここに誰かのバストショットが入る、振り返るダークブロンド)
 巨大都市に渦巻くめくるめく官能(嘘つけ)
 哀しいほど美しい晩秋のセントラル・パークで(これは嘘ではない)
 迫り来る恐怖(銃口のショット?)
 守る男、守られる男(アクション、絶叫)
 恋は?(ホテルのロビー)
 命は? (暗闇で開くドア)
 A DETECTIVE AND THE BODYGUARDS……(ドドドン)
 ……近日公開……(近日出版だってば)
そうそう、次回「探偵とボディガード」ではグレイの意外な一面が観られます。
お楽しみに。

Q.最後に読者の皆様にメッセージをお願いします。
これからも筆精進してまいります。よろしく。

次回、たけうちりうと先生は10月3日発売の『探偵とボディガード』で登場です!
いったいどんなお話になるのでしょう? 楽しみですね。
ボディガードシリーズは未読という方は、この機会にぜひ読んでみて下さいね。


 
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