2006年11月06日
「獣の啼く街」 いおかいつき/著 石田育絵/絵
風俗が主産業の町で唯一の医師として、闇診療をしながら暮らしている沢渡芳紀は、ある夜、ボディガードを生業にしている青年・劉と出逢う。その翌日から、劉は「やらせて」の一言で芳紀の診療所に入り浸るようになる。欲しいものは力づくで手に入れ、気に入らなければ腕で黙らせる劉は、自分の欲望に忠実で常識もモラルもない、この町そのものだった。彼にとってセックスとは愛情の伴うものではなく、欲望をはらす行為でしかない。劉に人間らしい感情を教えたい、そう思った芳紀だが…!?