2007年10月29日
「花嫁は貴族の愛に奪われる」 遠野春日/著 北畠あけ乃/絵
倉光子爵の庶子として生まれた伊深彩人は、避暑に訪れていた別荘の窓越しにひとりの美しい男と出逢った。言葉もなく、窓越しにみつめあったふたり。それが、運命を狂わせることになるなど、そのときの彩人には知る由もなく──夏も終わったある日、彩人は父である倉光子爵の命令により、興津伯爵家の次男・孝雅の婚約者のふりをすることになる。男の身である自分をなぜ孝雅は婚約者として扱うのか? 疑問に思いつつも、ひとときのことと覚悟した彩人だが、真意のわからない孝雅に惹かれながらも翻弄されて……