2013年10月31日
「好きになりなさい」 椎崎 夕/著 葛西リカコ/絵
母親の庇護者であった宮原が亡くなった十七歳の夏、
宮原の秘書だった有木に、史哉はある取り引きを申し出た。
母さんにはなにもしないでほしい、
代わりに、自分を好きにしていいから、と。
病いがちな母親を守るため、必死に考えた結果だった。
有木と知り合ってからの時間は長いものの、
史哉は彼がなにを考えているのかまったくわからなかった。
そんな史哉に、有木は取り引きの意味を確認し、その証としてキスをする。
そこから先は二十歳になってからだと告げて。
有木がなにを考えているのかわからず苛立ちを抱えたまま、
史哉は二十歳の夏を迎えるのだが!?