b's-garden | 特設 :榎田尤利/著『Blue Rose』
作品紹介
僕は愛を売るんだ──
青山にある、看板のないバー『FILAMENT』。
そこでは花のオーダーができる。
蘭、白百合、向日葵、カラー、そして薔薇。
なかでも最も高価な花は青薔薇で、 その花について詳しいことは知らされない。
愛を売る青年、青の物語が始まる──!
怪我をしながら、ひとり海辺を彷徨う青のシーンかな。
今回読み返してみて、自分が歳を取ったこともあり、ひどく青が哀れになりました。 この哀れな子が、強く、そして幸せになれるといいなと思い、今回の短い続編を書いた次第です。
 
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Q 榎田先生、『Blue Rose』発売おめでとうございます。今作が作品集の第一弾となりますが、今の気持ちを教えてください。
  A 初期作品には入手できなくなったものも多いので、最近の読者さまには読んでいただくことができず残念に思っていました。今回、装いも新たにお披露目できてとても嬉しいです。
Q 今発売の『Blue Rose』には2001年発売の『Blue Rose』と『Sleeping Rose』が収録されています。発売から11年経った今、改めてご覧になられていかがでしたでしたか?
  A そりゃもう、身悶えました……。昔の自分に対面するというのは、勇気のいることです。文章の細かい部分などはちまちまと直しましたが、物語そのものは変わっていません。 自分の書きたいことの根本は、今も昔も変わっていないんだなあという再認識もありました。
Q ご執筆されて、たとえば看護婦が看護師に、助教授が准教授と呼ばれるようになったり、時代的な変化もあったと思います。出し直すにあたって気をつかわれたことを教えてください。
  A そのへんはあえて変えずに、当時の雰囲気を残すことを優先しました。なので登場人物たちはあまり携帯電話を持っていませんし、ましてスマホは誰も持っていないのです(笑)
Q 愛を売る、とても完結に物語を語るフレーズだと思います。この他にも印象的なセリフがたくさんでてきますが、作中で気に入っているセリフやフレーズはありますか?
  A 「愛に関する、たくさんの間違い」というところが、自分の中ですごく残った文章です。
Q 今作は『Blue Rose』というタイトルの通り、青薔薇と呼ばれる青年・青の物語です。青薔薇が売られているバーFILAMENTでは他にもいろいろな花が売られています。 花のイメージとキャラクターのイメージはリンクしていると思うのですが、薔薇を選んだ理由を教えていただけますか?
  A 青薔薇のイメージは「稀少」というところだと思います。そういうキャラクターを書きたかったということなんでしょうね。でも実際の青は、どこにでもいる、傷つきやすい青年になりました。たぶんそれでよかったんだと思います。
私自身が好きな花は……なんだろう。なんでも好きです。
自分で買う場合は、花よりグリーンのほうが多いかな。猫がいるので、あんまり植物を飾れなくなったのが少し残念ですね。葉っぱなどを食べちゃうことがあるのですよ……。
Q 青の周辺には、生き方も性格も異なる、けれど青によって愛を知った男たちがいます。青が最後にどのような道を選ぶかは、執筆を始めた当初から決まっていたのでしょうか。
  A お客さんの中から誰かを選ぶことはないというのは、決まっていました。青が本当に愛したのは、あの困った人(笑)で、その呪縛からどう解き放たれるかが書きたかったんだと思います。 青は仕事として愛を売りながら、自分は愛から逃げたかったのかもしれません。
Q 作品集第二弾は『ハンサムは嫌い。』と『無作法な紳士』を収録しています。発売は9月の予定ですが、すこしだけご紹介いただけますか?
  A 今度の二本はラブコメですよ~。『ハンサムは嫌い。』は美容室オーナーと美容師のお話。『無作法な紳士』は御曹司高校生と炭焼き職人のお話です。津軽弁が読みどころ?(笑)
Q 作品集はもちろん楽しみですが、次の新作も気になります! どのようなお話になるか、今明かせる範囲で教えていただけますか?
  A まだどこまで明かしていいのかわからない……(笑) 主人公はちょっと変わった能力を持っていますね。お相手は頭脳明晰だけど社交性ゼロの元エリートです。
いま一生懸命書いてます……!
Q 読者のみなさまにメッセージをお願いいたします!
  A 懐かしい作品を再び世に出すことができてとても嬉しいです。昔からの読者さまも、最近の読者さまも、どうぞご感想をお寄せくださいませ。 イラストもすべて新しくなりますので、どうぞお楽しみに!
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