著者インタビュー

榎田尤利・夏までの!完全攻略方法?!(その一部……)

『ソリッド・ラヴ』も好評の榎田尤利先生の本が5月『ハードボイルドに触れるな』6月『レイニー・シーズン 吾妻&伊万里』と2ヶ月連続で発売になります。そんな榎田先生にインタビューをいってみましょう!

Q.噂によると最近はナイスミドルのおじさま、おばさまに混じり、水泳に励まれているとお聞きしましたが、まずは近況をお願いいたします。
専業作家になって1年になり、いかに身体に悪い仕事をしているのかが身に染みてきました。水泳は腰痛肩凝り防止の一環です。水の中にいると気分的にリラックスもします。自分の身体が軽くなって、潜れば音も優しく響くし。脱力して浮けば死体ごっこも出来ます。あんまり続けていると監視員の人に救助されてしまうので気をつけましょう。
ただ、季節外れの風邪をひいたりしてサボリがちな今日この頃です。

Q.5月19日榎田先生の新シリーズ『ハードボイルドに触れるな』が発売になりました。
『ハードボイルドに触れるな』はハードボイルド作家・羽根深雪と羽根のファンであるカリスマ整体師・千疋さん、羽根くんの親友であり大手出版社・音羽書房の編集・神楽坂のめくるめく三角関係が書かれています。おもしろいタイトルですが、タイトルの意味を教えてください。

ホントは『ハードボイルド作家に触れるな』が妥当なのですが、なんかリズムが悪いので削ったのでした。ハードボイルド作家は、もちろん主人公の羽根くんのことであります。つまりこの小説の主旨はいかに羽根くんをああしたりとか、こうしたりとか。へへ。

Q.『ハードボイルドに触れるな』が生まれたきっかけはなんですか?
マッサージものが書きたいな、と。揉みエロというか。
マッサージが一番必要とされる職業はなんだろうとなったら、作家が思いつきました。つまり、自分の願望です。まあOL時代からマッサージ・マニアでしたから。

Q.羽根くん、千疋さん、神楽坂くん、三人それぞれ大変個性的ですが、簡単な紹介をお願いいたします。
羽根クンは虚弱な小説家。千疋さんはオーラ漂うカリスマ整体師。神楽坂くんは一見、体育会系編集者です。表面的にはこんな感じですが、それぞれ性格に裏があります(笑)どんな裏かは読んでのお楽しみというみとで。

Q.今回の主人公・羽根深雪はひどい肩こりに悩まされる作家さんです。主人公が作家であるということで、読み手さんのなかには榎田先生本人に重ねて読まれる方もいらっしゃると思いますが、実際に榎田先生はどんな毎日を過ごしていらっしゃるんでしょうか?
最近は規則正しい生活を心がけているので7~8時くらいに起きて、ご飯を食べて洗濯をして、仕事して、天気が良ければ散歩して、帰って昼寝して、晩ご飯食べて仕事して寝ます。あんまり外出しませんね。出不精なので。

Q.いろんな意味でカリスマ整体師・千疋さんは注目キャラクターです。なんといってもカリスマ! ですから。カリスマがカリスマたる秘密は人間の体を知り尽くしたマジック・ハンド(フィンガー?)にあると思います。
千疋さんのマッサージはそれはそれはそれは気持ちよさげです。そのシーンは読んでいるとマッサージに行きたくなってしまうほど。榎田先生も凝り性とお聞きしています。これは体験談によるものですか? 榎田先生の肩凝り解消法などよろしければ教えてください。

解消してたらこんな小説書かないってば(涙)
あ、でも背泳はいいですね。つまり腕を回すという行為は血行を促進するのでしょうね。
私は肩凝りもありますが首の骨がズレているので、首と頭も辛いです。どのお医者さんにも言われるのが「もっと運動してください」です。
でも運動出来ていたらこんなに凝らなかったわけで。運動出来ないから整骨院に行くわけで。
なんか言い訳がましいですね。千疋さん募集中。

Q.これぞ作家ライフ! と思われる瞬間を教えてください。
平日の昼間のファミレスでプロットとか校正してる時かなぁ。
あとは主婦の方とおぼしきグループと、営業まわりの途中のサラリーマンしかいないんですよね。どっちの世界にも属していない自分を「ああ作家。つーか、自由業」と思います。

Q.作中、書くに書けずに悩む羽根くんの姿があります。思うように書けないことも人間であれば当然あることと思いますが、そんな時、榎田先生はどうするのですか?
そんなことないよ(嘘)
エダさんはいつでもスラスラ書けるのさ(大嘘)筆が止まったことなんか、今まで一度もないねぇ(巨嘘)
……………書けないときは、書けるようになるまで、じっと待つんですよ。

Q.書けないこともあれば、ノリにノッて書かれるときもあると思います。それはどんな時なのでしょう?
小説の神様が降りてくれた時です。神様についてはなにしろ神様なので詳細は不明です。

Q.お話が生まれる瞬間というのはどんな時ですか?
それも神様だからなぁ。
でもなんか、神様は私が電車に乗っている時とか、よく来るみたい。
パソコンの前だと、あんまり来てくれない。ご飯食べてるときに来られると、頭がそっちにいっちゃって、味がわからなくなります。

Q.千疋さんは存在自体が謎。外見もとっても魅力的かつあやしさもなきにしもあらず。
神楽坂は実直さと純情がなんだか同情を呼んでしまいますが、榎田先生のお好みは?

どっちも好きです。
千疋さんは本人は大まじめな人なのに、なぜかみんなからアヤシく見られてしまって損なところが可愛いですね。
神楽坂も男らしいようで、わりと。。。なところがポイントなのかも。
つか、ワタシはそらちゃんが一番好き(笑)

Q.さて、読み終えたところで読者さんがもっとも気になるのは今後の展開……ずばり、羽根くんが千疋さんと神楽坂のどちらを選ぶのか! だと思います。どちらを選ぶのでしょう? ちょっぴり、教えてください。
そればっかは、羽根くんに聞かないと。
でも今、なんか恋愛小説に苦しんでいるみたいで、迂闊に声かけられないんです。詳しいことは9月あたりに出るらしい続編で……(さりげなくない宣伝)

Q.まだ読んでいない読者さんに、そして読み終えた読者さんにそれぞれ一言お願いします!
これから読む方へ。どうか楽しんでいただけるよう、お祈りしています。五体投地で。
読んでくださった方へ。いかがでしたか。ぜひ、千疋支持か神楽坂支持か、教えてくださいね。感想などもお待ちしています。

※ 次は『レイニー・シーズン』発売に合わせて吾妻&伊万里の特集です。
どうぞ、お楽しみに!

*榎田さんのお仕事情報*
6月中旬 光風社出版クリスタル文庫・魚住くんシリーズ4「過敏症」
6月下旬 大洋図書SHYノベルス・吾妻&伊万里2「レイニー・シーズン」
7月上旬 笠倉出版アンソロジー・X-Boysに「largo」
8月・9月 マガジン・マガジン小説JUNEに魚住くんシリーズ
9月   大洋図書SHYノベルス・小説家羽根くんシリーズ「恋愛作家は騙される」
11月  雄飛・アイノベルス BlueRose続編(タイトル未定)

*既刊*
『ソリッド・ラヴ』
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